暴力団との関係を認めた田中慶秋法相(74)の問題なども抱え、衆院の解散含みとなる臨時国会の開会に、野田佳彦首相(55)がおいそれと応じるはずがない。今や民主党は政権にしがみつく「シロアリ」になっている。
一方、「政権党にはなれないが、せめてなりたやコストカッター」とばかりに張り切る議員も出てきた。
筆頭格の長妻昭元厚労相(52)は10月上旬、 渡辺周前防衛副大臣(50)と酒を酌み交わし、「民主党が政権にいた証しをつくろう」と意気投合。最初のターゲットに「国会」を選んだ。
渡辺氏や花咲宏基衆院議員(46)ら有志は10日、 東京都千代田区一番町の“超一等地”にある旧衆院事務総長公邸を視察した。土地2059平方メートル、建物309 平方メートル、資産価値25億円という「お屋敷」だ。
1950年に衆院が土地を購入して副議長公邸を建築、82年に事務総長公邸となった。しかし、居住した総長はおらず、2004年から職員が宿泊できる「事務局分室」に。 管理人は職 員OBで、人件費は年間150万円。水道光熱費43万円、皮肉にも「シロアリ被害調査」に7万円かかっている。ところが、この3年の宿泊実績は5日しかない。
06年に与野党が売却で合意したが、隣地との境界線が確定せず、そのままになっている。「ここ必要なの? 境界線画定のために何かやってきたの?」
視察団が問いただすと、「手を尽くして……」。同行した事務職員らは言いよどんだ。
※週刊朝日 2012年10月26日号