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 大津いじめ自殺事件などが大きな社会問題となるなか、新人警察官を教育する警察学校でも問題が起きていた。ある警察学校で、異常な数の退職者が出ているというのだ。しかも、理由の一つが「教官の暴力」というのだから、穏やかでない。

 これを裏付けるかのように、9月4日、奈良県警察学校教官の男性警部補(38)が酒に酔って男子学生ら数人に暴行し、1人に顔面骨折の重傷を負わせたことが発覚した。学生の言動に腹を立てたとされる。少なくとも、いま警察学校では学生が大量退職する実態があり、なかには教官による暴行が原因とみられるケースもあるというのだ。

 今回、警察庁に情報開示請求をしたところ、2010年度の全国の警察学枚への入校者数は計1万1295人、うち卒業前の退職者は1077人だった。退職率は9.5%に達する。特に、退職率15%を超える警察本部は7(埼玉・愛知・和歌山・岡山・愛媛・高知・本)あり、最高は岡山県警の20.2%だった。

 1980年から3年間、警察学校の初任科教官を務めた元北海道警弟子屈(てしかが)署次長の斉藤邦雄氏がこう語る。

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