4月9日、レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)のメジャー初登板。もがき苦しみながら、初勝利を手にした。
 本拠地テキサス州アーリントンでのマリナーズ戦に先発。6年総額1億1170万ドル(約90億円)で海を渡った彼にとって、昨季リーグ最低打率の相手は「カモ」かと思いきや、制球が定まらない。
 生命線のツーシームも明らかなボール球に。1回に42球も投げて4失点。2回にも1点奪われた。6回途中、イチローにこの日3安打を許したところで降板した。味方の強力打線に火がついて初勝利を手にしたが、自身のブログには、「最低中の最低の内容」と書き込んだ。
 デビュー戦を観戦したスポーツライターは、ダルビッシュが抱える根本的な欠陥を指摘する。
「大きな体の割には、手が小さいんです。本人は決して認めませんがWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でもそうだったように、手が小さいと、表面が滑るメジャー公式球を操るのは難しい。だましだましで通用するほど甘くはない。日本より硬い土質のマウンドも難敵です。体を沈みこませられず、立ち投げになっていますから」
 メジャーの洗礼を浴びた"日本の至宝"は、この先どうなるのか。
「夏までに周囲の高い期待に応えられないと、米メディアの風当たりも強まる。中継ぎへの降格だってあり得ます」(同)
 優しいテキサスのファンにブーイングを受ける姿だけは見たくないのだが。

※週刊朝日

 2012年4月27日号