3月8日発表の文部科学省研究チームによる首都直下型地震の被害想定で、マグニチュード7.3の地震が起きた場合、東京湾岸の広い範囲で震度7の揺れが発生すると報告された。近日中に発表される新たな震度分布では、かつて震度6強と想定されていた地域が震度7になると見られている。

 だが、防災・危機管理ジャーナリストで「まちづくり計画研究所」の渡辺実所長はこう指摘する。

「震度6弱と想定されていた地域でも、地盤が軟弱なら一気に震度7まで上がる可能性がある。6弱で助かっていた建物も7だと全滅することも考えられる。これが怖いですね」

 強い地盤に比べ、軟弱な地盤では揺れが大きくなり、建物に与えるダメージも当然大きくなるのだ。

 自分の家はどんな地盤の上に立っているのか。今すぐできる簡単なチェック法を『大震災・大災害に強い家づくり、家選び』(朝日新聞出版)の著者で1級建築士の井上恵子氏に教えてもらった。「地名」に着目するのだ。

「池や沼、川があった場所は雨水や河川によって運ばれた土や砂が堆積しているため、地盤が弱い。周辺に海や川がある場合はもちろんですが、それらがなくても地名に『沢』『河』『沼』『池』『浦』など、水にまつわる漢字が入っている場所は軟弱地盤の可能性があります。水が集まりやすい『窪』『谷』『田』も要注意です」

※週刊朝日 2012年3月30日号