「日本遺産」ロゴマーク
「日本遺産」ロゴマーク

 文化庁は2015年4月21日の「日本遺産審査委員会」で、2015年度の日本遺産(Japan Heritage)として18件を認定した。日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を伝えるストーリーと、それを象徴する文化財群を認定するもの。日本のみならず海外にも戦略的に発信し、観光などでの地域活性化を目的に開始された。

 初年度の2015年度の申請数は83件で、複数の自治体での申請も可能。例えば、「近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節の本源-」は、水戸市の旧弘道館や足利市の足利学校跡など4県の旧学校跡で構成するもの。近代教育制度以前から、藩校や郷学、私塾などで幅広い階層を対象にした教育が行なわれ、それが学問・教育、礼節を重んじる日本人の国民性として受け継がれているというストーリーだ。その他、日本遺産18件の一覧は以下の通り。

 これにあわせ、日本遺産のロゴマークも決定。日の丸の下に、線のような「JAPAN HERITAGE」の文字で「面」をデザインし、点から線へ、そして面で捉える“日本遺産”を表現したという。今後、認定の日本遺産で表示されるほか、各種パンフレットにも掲載し、日本の文化伝統を世界に発信していく。

【2015年度 「日本遺産(Japan Heritage)」認定一覧】
ストーリーのタイトル:申請者(◎は代表自治体)

1.近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節の本源-:◎水戸市(茨城県)・足利市(栃木県)・備前市(岡山県)・日田市(大分県
2.かかあ天下-ぐんまの絹物語-:◎群馬県(桐生市、甘楽町、中之条町、片品村)
3.加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡-人、技、心-:富山県高岡市
4.灯(あか)り舞う半島 能登 ~熱狂のキリコ祭り~:◎石川県(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)
5.海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群 ~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~:◎福井県(小浜市、若狭町)
6.「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜:岐阜県岐阜市
7.祈る皇女斎王のみやこ 斎宮:三重県 明和町
8.琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産:◎滋賀県(大津市、彦根市、近江八幡市、高島市、東近江市、米原市)
9.日本茶800年の歴史散歩:◎京都府(宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、宇治田原町、和束町、南山城村)
10.丹波篠山 デカンショ節 -民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶:兵庫県篠山市
11.「日本国創成のとき―飛鳥を翔(かけ)た女性たち―」:奈良県◎明日香村・橿原市・高取町
12.六根清浄と六感治癒の地 ~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉~:鳥取県三朝町
13.津和野今昔~百景図を歩く~:島根県津和野町
14.尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市:広島県尾道市
15.「四国遍路」~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~:◎愛媛県・高知県・徳島県・香川県(各県内57市町村)
16.古代日本の「西の都」~東アジアとの交流拠点~:福岡県太宰府市
17.国境の島 壱岐・対馬 ~古代からの架け橋~:◎長崎県(対馬市、壱岐市、五島市、新上五島町)
18.相良700年が生んだ保守と進取の文化 ~日本でもっとも豊かな隠れ里― 人吉球磨~:◎人吉市・錦町・あさぎり町・多良木町・湯前町・水上村・相良村・五木村・山江村・球磨村