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クリスマスは数年に1度レベルの強烈寒気が南下するでしょう。また、1月にかけて冬型の気圧配置が強く、寒気の影響を受けやすい見込みです。引き続き雪や寒さへの備えを万全にしてください。

気象台発表の「3か月予報」

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12/20、新潟地方気象台より、福井・石川・富山・新潟の4県を対象とした「北陸地方の向こう3か月の天候の見通し」が発表されました。

そのポイントは、「1月を中心に強い冬型の気圧配置となり、寒気の影響を受けやすく、平地でも大雪となる可能性がある」ということです。昨日19日にかけて北陸東部の新潟では平野部でも局地的にドカ雪となりましたが、この先も強い寒気とJPCZによる降雪の強まりにより、平野部でも局地的短時間に大雪となる可能性があるということです。十分な対策を講じて下さい。

「負の北極振動」が顕著 年末にかけて続く見込み

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図は、北半球の500hpaの高度と平年偏差を表しています。左側の11/27~12/1(第67半旬)と右側の12/12~12/16(第70半旬)を見比べてみましょう。

左側の11/27~12/1(第67半旬)は、日本列島は暖色系の領域となり、気圧が高く、北極圏からの寒気が流れ込みにくい状態だったことを示しています。一方、右側の12/12~12/16(第70半旬)は、日本列島は寒色系の領域となり、気圧が低く、北極圏から寒気が流れ込みやすく気温が低い状態だったことを示しています。

師走の声を聞いて本州付近は顕著な負の北極振動に転じています。この状況は年末にかけて続く可能性が高くなっています。引き続き、寒さや雪への対策を万全にして下さい。年始以降に関してはまだ大きな幅がありますので、最新の気象情報を確認して下さい。

「クリスマス寒波」冬の台風に相当する「ポーラーロウ(polar low)」が発生する可能性も

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ポーラーロウは寒気内小低気圧とも呼ばれます。大陸方面から強い寒気が相対的に暖かい日本海上に吹き出す時に、その寒気内に発生する低気圧のことです。発達すると台風のように中心付近に明瞭な眼が確認できることもあります。このポーラーロウは、上空の強い寒気と相対的に暖かい海上とで気温差が大きい程発生し、発達しやすくなります。

12/19現在、日本海中部の海面水温は12~15度前後もあり平年より1~2度程高くなっています。一方、上空5100メートル付近には氷点下40度近い強烈な寒気が流れ込み、気温差は50度前後にも達する所がありそうです。

ポーラーロウは低気圧としての規模は小さくなりますが、局地的一時的には、大雪や暴風、雷、降雹、竜巻などの激しい突風を引き起こし、災害をもたらすことがあります。今後の情報には注意して下さい。

23~24日は里雪型の大雪に警戒 25日は山雪型に移行

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23日からは強い冬型の気圧配置となる見込みです。北陸上空約1500メートルには、西廻りで氷点下9度以下の北陸の平地で広く降雪となる強い寒気が流れ込むでしょう。上空約5100メートルには大雪目安の氷点下36度以下の強い寒気が流れ込み、更に新潟を中心に一段強い氷点下39度以下の強烈な寒気が流れ込む見込みです。

23日~24日にかけては、上空の風の流れは里雪型となるでしょう。JPCZが顕在化して、平野部でも再び短時間にドカ雪となる可能性もあります。最新の気象情報を確認し、自動車の利用を計画している方は慎重な行動を心掛けましょう。また、特にオール電化住宅にお住まいの方は、万一の停電時にも暖を取れる対策を行って下さい。25日以降は次第に山雪型へと移行する見込みです。

65歳以上の人にとっては「冬場は屋外よりも自宅の方が危険」? ヒートショックによるとみられる死亡リスクは交通事故よりはるかに高い

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ヒートショックは、気温の急激な変化が原因で血圧が大きく変動することにより、健康被害となることです。軽度であれば目まい程度の症状となりますが、重度となれば脳卒中や心筋梗塞など、命の危険に直結してしまう場合があります。

この時期は、「屋内と屋外」「屋内でも居間とその他の部屋」とで気温差が大きくなります。入浴時においても、脱衣所や浴室とお湯の温度差は大きくなり、ヒートショックのリスクが大きくなりやすいでしょう。

厚生労働省の人口動態統計より、令和3年の県別月別原因別死亡者数データを見てみましょう。
65歳以上の交通事故死亡者数と不慮の溺死及び溺水(≒ヒートショックによる死亡者数)を比較すると、北陸4県ともに、ヒートショックと見られる死亡者数は交通事故死亡者数を上回っています。

更に、月別で見ると、ヒートショックと見られる死亡者数は、寒い時期に多くなっています。従って、これから春にかけての期間がヒートショックによる死亡リスクが最も高い期間と言えそうで、十分な注意が必要です。

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