26日、北海道の樽前山で火山性微動を観測されました。2010年2月23日以来、6年ぶりです。気象台は火山活動に活発化の兆候は認められませんが、突発的な火山ガス等の噴出に注意を呼びかけています。

6年ぶりの火山性微動

気象台は、26日の10時54分頃と11時21分頃、北海道南西部にある樽前山で火山性微動が発生したと発表しました。
樽前山は千歳市と苫小牧市にまたがる活火山で、火山性微動が観測されたのは、2010年2月23日以来、6年ぶりのことです。
火山性微動とは、マグマや熱水の移動等に関連して発生する地面の連続した震動のことです。
これらの微動の発生とともに、一時的に振幅の小さい火山性地震がやや増加し、わずかな傾斜変化も観測されました。
噴気の状況に変化は見られず、火山活動に活発化の兆候は認められないとのことですが、山頂溶岩ドーム周辺では1999年以降、高温の状態が続いていて、突発的な火山ガス等の噴出に注意が必要ということです。
噴火警戒レベルは1が継続されています。
※噴火警戒レベル1は、状況に応じて火口内及び近傍への立ち入りが規制されます。

樽前山の噴火活動史

樽前山は約9000年前に火山活動によってできた大きな凹地で、体積は約1キロ立方メートルです。
これまでの活動は約1000年以上の休止期を挟んで、3つの活動期に区分されます。
【第1活動期 約9000年前】
2回の大規模な噴火により大量の火砕物を噴出、小規模な火砕流も生じました。
【第2活動期 約2500年前から】
約6500年の休止期を経た第2活動期では、3回の大規模な噴火が短い休止間隔で発生し、火砕物や火砕流が噴出しました。
【第3活動期 江戸時代から現在まで】
1667年と1739年に規模の大きな噴火が発生して大量の火砕物を噴出し、1909年の噴火では現在山頂に見られる溶岩ドームを生成しました。19世紀以降は大規模な噴火が発生していません。