1月はお正月とは思えない暖かさからスタート。比較的穏やかな天気が続いていましたが、下旬には大寒波が襲来。長崎で積雪17センチ、名瀬で115年ぶりに初雪、久米島で39年ぶりにみぞれを観測するなど、記録的な大雪や厳しい寒さをもたらしました。

1月上旬 お正月とは思えない暖かさ

日本付近は暖かい空気を伴った高気圧に覆われて、全国的に気温が高くなりました。東・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、沖縄は所々で気温が25度以上の夏日と季節外れの暑さになりました。
降水量は北・東日本と西日本日本海側で少なく、日照時間は東日本太平洋側でかなり多くなりました。
沖縄・奄美は低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多く、宮古島や石垣島など先島諸島では大雨となった所がありました。

中旬 じわじわと冬らしく

低気圧が本州の南岸や本州付近を通過し、降水量は全国的に多くなりました。数日ごとに寒気が流れ込み、気温もこの時期らしくなりました。
18日から19日にかけては低気圧が発達をしながら本州の南岸を通過した後、北海道の東へ進み、冬型の気圧配置が強まりました。
太平洋側の所々で大雪となり、東京で18日に6センチの積雪を観測しました。北海道と東北から九州の日本海側の広い範囲で暴風雪となりました。
沖縄・奄美は低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が続き、日照時間はかなり少なく、降水量は1月中旬としては1961年の統計開始以来、最も多くなりました。

下旬 一気に真冬へ

24日から25日にかけては日本付近にこの冬一番の強さの寒気が流れ込み、日本海側と西日本太平洋側の所々で大雪となりました。
24日、長崎で積雪17センチとなり、1906年の統計開始以来最も多い記録を更新しました。
奄美大島の名瀬で1901年2月12日以来115年ぶりに初雪(みぞれ)を観測しました。
沖縄は久米島で1977年2月17日以来39年ぶりに、名護で観測史上初めてみぞれを観測しました。
25日ごろは全国的に厳しい寒さとなり、全国74地点で統計開始以来、最低気温の低い記録を更新しました。
その後は低気圧が本州の南岸を進み、暖かく湿った空気が流れ込んだため、全国的に曇りや雨、または雪となり、西日本では大雨となった所がありました。

エルニーニョ現象=暖冬?

グラフはアメダスの整備が進んだ1978年以降の、全国の冬日(最低気温0度未満)地点数を合計したものです。
冬日が9月以降に観測されてから翌年1月31日までの地点数を1000地点あたりに換算しています。
●エルニーニョ現象イコール暖冬ではない
冬日の地点数が少なければ暖冬とみなせます。ただ、エルニーニョ現象が発生したから暖冬になるとは限らないようです。
エルニーニョ現象が発生していても寒冬となった年もあれば、エルニーニョ現象が発生していないのに暖冬となった年もありました。
●長期的には気温が上昇
右肩下がりの赤いラインは、長期的には冬日の地点数が減少していることを示しています。これは長期的には気温が上昇していることを表しています。
【この冬は暖冬?】
この冬の気温は、12月は全国的に高く、1月は東・西日本と沖縄・奄美で高くなりました。
この冬が暖冬になるかは、2月次第と言えそうです。