進化、変容する福袋 ── 平成最後の福袋は?

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明けましておめでとうございます。健康に恵まれ、幸多き一年となりますように……。
さて、いまやお正月の風物詩となった福袋。人気福袋の争奪戦、買い求める長い行列、時代を反映した驚きの福袋……などなど、毎年、話題を集めますね。
かつては「在庫処分」的なイメージのあった福袋ですが、1980年代から始まった「福袋商戦」はとどまるところを知らず……。一億円越えの福袋、体験型福袋、自動車や住宅……もはや、「福袋」の概念自体が変わってしまいました。買わなくても眺めているだけで退屈しません。
それでは、いまどきの福袋を見ていきましょう。

一億円越えの福袋

バブル期には高級ブランド品や車、マンションなどの福袋も売り出されていましたが、この頃から、ひと袋数万円から数十万円といった高級福袋が全国的に売り出されるようになっていきます。
バブル景気とはほど遠くなった今の日本ですが、バブルの片鱗(へんりん)を思わせるような景気のいい福袋も登場しています。そのひとつをご紹介しましょう。
2009年12月10日~2010年1月10日まで、ダイヤモンドジュエリー専門店のバージンダイヤモンド銀座・楽天市場店では、ダイヤモンド・フルコーディネート福袋が1億8900万円で販売されました。
年末年始の1カ月限定で1セットのみの販売。通常価格は7億9000万円でなんと、6億円の値引き!
この福袋は、もっと大粒のダイヤモンドが欲しい、ダイヤモンドを使用した珍しいジュエリーが見たい、などの声に答えて誕生したそうです。
フルコーディネート福袋ということで、頭から指先までではなく、ボールペンや時計までダイヤモンドが輝いているそうです。眺めるだけで十分ですね。
ちなみに、購入者はいなかったようです。

中身の見える(?)福袋

福袋を在庫処分として取り扱っている店もありますが、年始の初売りをお客様に楽しんでもらうため、工夫を凝らした福袋を販売するのが一般的になりました。
在庫どころか新商品や目玉商品、福袋だけの限定品も……。
最近の福袋では、どんなものが入っているのかをあらかじめ明示しておくケースも増えています。その理由のひとつとして、福袋がインターネットでも販売されるようになったことが挙げられます。
インターネット販売では、福袋の形や重さを確かめて購入することができません。そのため福袋の中身を事前に公開して、お客様が安心して福袋を購入できるようにしています。
中身がわかる福袋とひと口に言っても、その公開方法には2種類存在します。
それは、中身のすべてを公開するタイプと、目玉商品だけ公開するタイプです。
【福袋の中身が全て見える全部公開タイプ】
福袋の中には、ホームページや店頭ポスターなどで中身をすべて公開しているものがあります。従来福袋とは何が入っているのかわからないところが楽しみのひとつなのですが、そこをあえて見せることによって、販売を促しているわけです。福袋の中身をあらかじめ確認し、納得した上で購入できるので後悔せずにすみます。
ただし、福袋によっては、商品の柄やカラーバリエーションを指定できないことがあります。
【福袋のワクワク感と安心感を両立できる一部公開タイプ】
福袋の中身を一部公開しているタイプのものもあります。この福袋なら、公開されている商品を目当てに購入することができます。
この福袋の購入を検討するなら、公開されている商品の値段と福袋の総額を考えたうえで判断しましょう。

体験型福袋も登場!

また、どんな袋にも入らない、体験型福袋も登場しています。
【体験型福袋とは?】
・有名百貨店が企画した「レストランのシェフがお客様の自宅へ出張し、料理のレッスンをした後に食事会をする」といった趣旨のもの。
・そば屋ならそば打ち体験付きチケット。
・居酒屋なら日本酒の利き酒付き食事券。
・喫茶店ならプロ直伝のコーヒードリップ教室付きチケット。
このような体験そのものを商品とした「体験型福袋」は、飲食店にとって売れ残りもなくリスクの少ない、アイデア次第で様々な企画が可能というメリットがあります。
お得感とサプライズ感の両方を感じられる飲食店ならではのユニークな福袋は、これからもどんどん進化、発展していきそうですね。

世界に広がる福袋

アップルの日本における直営店であるApple Store銀座店が、2004年の正月に福袋を販売したところ、とても好評であったため、本国のアメリカ合衆国でも旗艦店舗を新規にオープンする際には、福袋を 「lucky bag (ラッキーバッグ)」「mystery bag (ミステリーバッグ)」 という名前で販売するようになりました。
また、ハワイのホノルルにあるショッピングモールであるアラモアナセンターでは、2005年から正月に福袋を販売しています。
そもそも「福袋」とは、七福神の一柱(神様なので柱(はしら)と数えます)の大黒様(食物や財福を司る神)が、打ち出の小槌や米俵と一緒に抱えている大きな袋のことをいいます。
この袋には、幸運や幸福などが入っているといわれ、大黒様がやってくるとその袋から福を分け与えてくれるといわれています。
いまや、「福袋」とは名ばかりの「何でもアリ」の様相を呈していますが、そこには奇想天外なアイデアや知恵、サービス精神が横溢していて、とんでもない勢いを感じます。新年の景気づけにはもってこいかもしれません。
さて、平成30年で終わりを告げる今年……あなたはもう福袋を買いましたか?

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