■過敏な脳は年齢によって症状を変える

 母親が片頭痛もちの場合、子どもが片頭痛体質、つまり脳の過敏性を受け継ぐ確率は7割ともいわれています。子どもの頃から体質を見極め、脳を刺激し過ぎない生活を送るなどの対処を心がけましょう。

●小児期
小児の片頭痛は発作時間が短く、1~2時間、長くても6時間程度。頭痛以外の症状が現れるケースも多く、乗り物酔いしやすい、熱けいれんを起こしやすい、寝言が多い、落ち着きがないなど。11歳以下では発症率の男女比に差はないが、それ以後は女児の方が増加する

●思春期(女性)
女性は初潮が始まる思春期頃から片頭痛が起こりやすくなる。この頃の頭痛は、大人と比べて症状が顕著ではないのが特徴。痛みも緊張型頭痛のようにだらだら続くため、仮病に見られることも

●20~40 歳(女性)
片頭痛の発症には女性ホルモンが影響しているため、女性の場合、性成熟期にあたるこの時期には、本格的な片頭痛が現れやすい

●更年期(女性)
女性ホルモンが減少する更年期以降は、発作的に片頭痛が起きることはなくなり、再度だらだらとした痛みになる。耳鳴りやめまい、抑うつ感などの症状として現れることも

●高齢者
加齢に伴い脳の血管が硬くなることで三叉神経の刺激が減り、片頭痛はほとんど起こらない。ただし、脳過敏の症状として、耳鳴りやめまい、抑うつ感などの他、性格が激しくなるなども起こることがある

●男性
片頭痛は女性だけのものではなく、男性にも起こり得る。男性が頭痛を起こしやすいのは生活リズムが変わりやすい休日。頭痛が起きても、「普段の疲れが出たせい」「寝過ぎたせい」などと思うため、それが片頭痛であることを認識しにくい傾向にある

■ブルーライトに注意! 脳を刺激しないために気をつけたいこと

「脳が敏感で頭痛を起こしやすい体質の人は、脳を刺激しない生活を心がけることが大切」と清水先生は言います。まず気をつけるべきは、季節や気圧などの“変化”。季節の変わり目や台風が近づいてきた時に、片頭痛が起きてはいませんか? 女性の場合、女性ホルモンが変化する月経や排卵期に片頭痛が起きてはいませんか? それは過敏な脳が“変化”に刺激され、脳内物質のセロトニン分泌が不安定になり、頭痛を引き起こしているのです。驚くことに、地殻変動をキャッチして地震の前に頭痛が起きる人もいると言います。

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鎮静剤は飲みすぎると、新たな頭痛の原因に