年初から、インド東北部の、ナガランドとマニプル州を旅している。この地域は、ミャンマーと国境を接する険しい山岳地帯だ。ここには、いわゆるインド人とは異なり、モンゴロイド系で日本人に顔つきが似たナガという部族が暮らしている。つい百年ほど前まで、山間のジャングルに裸同然で生活しており、その頃やってきたアメリカ人宣教師によってキリスト教化されるまで、部族同士で首狩りを行ってもいたそうだ。またここは、第二次世界大戦中にインパール作戦で日本軍が壊滅した地でもある。戦後はインドからの独立闘争が続き治安が悪く、入境が制限されていた。しかし、数年前に情勢が落ち着いて域内の個人旅行が可能になったところで、昨年末にナガランドの隣の州に住むガロ族の友人の結婚式に招かれたので、訪ねてみた。

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第5回 インパール 食べきれないごちそうと、兵士のかなしみと

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地球の旅人 東苑泰子の東遊西撮記

<プロフィール>

ひがしぞの・やすこ/東京都出身。ニューヨーク近代美術館でインターン中、世界中から集まる人々に出会って地球の広さに衝撃を受け、キャリアを変えて世界を見る旅をするために?結婚! 海外勤務もあるサラリーマンの夫に励まされ、これまで訪れた国は100ヵ国以上の「旅主婦」。翻訳家の父に鍛えられた語学力と健脚・健啖を活かして諸国を歩き、出会った人々、その街・その国の風景を抜群の反射神経でパチリ。ミャンマー祭り2013 日本・ミャンマー交流写真展、優秀賞受賞