中島かずき[電人N]

気になる雑誌、「昭和40年男」
気になる雑誌、「昭和40年男」
『ぴあ』最終号、いろんな書店で売り切れているようですね。  やはり最後だけあって、懐かしい思いになる人も多いのでしょう。  僕も、ずらりと並んだ及川正通さんの表紙イラストを眺めながら、昔を思い出していました。  付録で、創刊号がついていました。  さすがにこれは僕も知りません。創刊されたのは、まだ田舎にいた頃です。ただ、その誌面の昭和っぷりは、すごく懐かしい感じでした。  自分が学生時代、まだ乾式コピーもそう多くなく、学生の同人誌といえばガリ版刷りだったころの匂いがして、タイムスリップする気分になります。
9/27
物書きにとってのツイッターとは
物書きにとってのツイッターとは
前回、夜中のツイッターでも世の中の動きがわかると書きましたが、またその体験をしました。  なでしこジャパン決勝戦の日、「仕事してるからテレビはつけないけど、みんなのツイートで結果はわかるよ」とつぶやいたら、池田成志くんがリツイートしてきて、ワールドカップの決勝戦なんて人生で何度も観られるもんじゃないから、観た方がいいよと忠告されました。  そう言われればそうかと思い、テレビをつけたら、あの試合でした。  女子サッカーだけでなく、サッカーにはそれほど詳しくはないのですが、さすがにあの試合は興奮しましたね。  先行されて追いついて、それでもまた点をとられてまた追いついて。  ああ、折れない心っていうのはこういうことを言うんだなあと思いながらPK戦に入って、優勝しちゃった。  いやあ、こんな試合がリアルタイムで観られたとは、勧めてくれた成志くんに感謝です。
9/27
『ぴあ』休刊につきない思い出
『ぴあ』休刊につきない思い出
夜中にツイッターのトレンドを見ていると、今現在、数多くつぶやかれているキーワードがわかります。  おかげでニュースを見てなくても、築地市場の火事も、なでしこジャパンのワールドカップ決勝進出も、リアルタイムで知ることができます。  こういう情報の共有スピードの速さを体感すると、これまでの情報提供サービスは新しい形にならざるを得ないなと感じます。
9/27
『仮面ライダーフォーゼ』に全力投球
『仮面ライダーフォーゼ』に全力投球
さて、7月に入り、今まで内緒で進めていた仕事がやっと表に出てきました。 『仮面ライダーフォーゼ』です。 『仮面ライダー』40周年記念の新シリーズのメインライターを務めます。  この半年ほど仕事のメインはこれだったのですが、まだいっちゃダメだったので、ずっと我慢してました。  いや、週一というのはやはり大変です。  書いても書いてもあっという間に次の〆切が来る。  なんだか、日々ずっと原稿に追われてる感じで、このコラムも書くネタがなくなってきたなあと思っていたところでした。  しょうがないので「尻にタコができた話」まで書くしかなかった。  あれから何人かに「お尻大丈夫ですか」と言われてしまいました。  でも、ようやく製作発表も終わり、情報解禁となったので、これで自分の身を切り売りするようなことも少なくなるかなと思って、ホッとしてます。
9/27
7年ぶりの『髑髏城の七人』、本格始動
7年ぶりの『髑髏城の七人』、本格始動
『髑髏城の七人』も製作発表が終わり、いよいよ本格的に稽古が始まりました。  いくつか取材も受けて、そこでも話していますが、これで5回目の舞台化。7年ごとに再演すると半分冗談で言ったことも、21年続ければまあ本物と言ってもいいですよね。  今回蘭兵衛役を演じる早乙女太一君が初めて新感線を見たのは『アオドクロ』だとか。その時、彼はまだ12才くらい。初演の時には生まれてすらいない。  月日の速さに驚かされます。  若いメインキャスト達が口々に「歴史のある作品に出させていただいて?」みたいなコメントを出していて、「そんな大げさな」と面映ゆく感じていたのですが、冷静に考えれば確かに歴史があると言っても過言じゃないですね。  自分たちとしては、地続きでやってきたことなのでそれほど時間が経っているとも思えないのですが、考えてみれば『アカドクロ』『アオドクロ』だってもう7年前。小学校に入学した子が中学生になると思えば、今回『髑髏城』を初めて観るお客さんもたくさんいるのだろうなと、改めて思います。
9/27
三回目の九州戯曲賞で感じた嬉しさ
三回目の九州戯曲賞で感じた嬉しさ
九州戯曲賞の選考会に行ってきました。  九州地方で活躍している劇作家を対象に行われているこの戯曲賞も、今年で三回目。  最初に比べれば慣れてきた感はあります。    去年までサラリーマンだったこともあり、劇作家協会などのように他の劇作家のみなさんと一緒に何かをするという機会は、この選考会に参加するまでは、ほとんどありませんでした。  他の劇作家のみなさんはどういう読み方をするのだろう。意見が合わずに激論になったりするのだろうかと、最初の年は、かなりドキドキして選考会に臨んだのを覚えています。  でも、ふたを開けてみれば、実に面白かった。  自分たちが作っている作品の方向性こそ違え、候補作に関しての意見はおおむね変わりないことがわかったこともあります。僕が「書けていないな」と思う部分は、だいたい他の人たちにとっても書けていないという意見でした。  僕には理解できないタイプの作品を、他の作家が自分には持ち得ない視点から読み解いていくという場面もあり、新鮮な体験でした。
9/27
会社を辞めて10ヶ月、"専業作家の証"を得る?!
会社を辞めて10ヶ月、"専業作家の証"を得る?!
井上ひさしさんの『雨』を観に、新国立劇場に行ってきました。  芝居とは別の印象なのですが、座席に座ってまず「あれ、ここの椅子、こんなに硬かったっけ」という思いが。  芝居が三時間半という長丁場のせいもあったのですが、途中でお尻が痛くなって困りました。
9/27
劇作家の作風が変わるとき
劇作家の作風が変わるとき
夏目漱石がロンドン留学中にノイローゼになったというエピソードを知ったのは、山田風太郎のエッセイか何かで読んだのが最初でした。  霧の立ちこめる陰鬱としたロンドン。その町を漱石が散歩していると、向こうから妙に小柄で貧相な東洋人が歩いてくる。「まるで猿だな」と思って近づくと、実はそれはウインドーに映った漱石自身だったことに愕然とするというくだりが印象的でした。
9/27
たった一冊の本が買えない理由
たった一冊の本が買えない理由
ジェフリー・アーチャーの新刊のタイトルを見て驚きました。 『15のわけあり小説』。なんだか、軽い。  ジェフリー・アーチャーといえば、『大統領に知らせますか』や『カインとアベル』など夢中になって読んだ記憶があります。  20代後半の頃、海外冒険小説ブームがありました。各出版社から、面白い小説が続々と翻訳されていた。  新潮文庫はその中でも特にはずれなしというイメージがあった。  スティーブン・キングやクライブ・カッスラー等と並び、アーチャーは新潮文庫の海外エンタメ路線を代表する作家と思っていました。  それが今では『わけあり小説』・・・。  今、海外翻訳小説は売れないという話は聞きます。少しでも手にとってもらうために、こういうタイトルにしたのかもしれません。  でも、以前だったら、格調高いとはいいませんが、もう少し違う雰囲気のタイトルになったんじゃないかなと思ってしまいます。  売れなければ出版もされないわけですから、贅沢は言えないのですが。    ただ、あまり人のことは言えません。  最近、本屋に行っても、なかなか本を買う気になれないのです。  買う気持ちはある。読みたい本もいっぱいある。  じゃあなんでかといえば、物理的な問題です。
9/27
二ヶ月半コツコツと綴った「ぼくとマンガ」
二ヶ月半コツコツと綴った「ぼくとマンガ」
先日、知り合いの編集者と話をしていて、「今回の大震災では、いろんな人の地金が見えたね」という話になりました。  冷静な判断ができると思っていた人が、自分だけがよければいいという意外な行動を取ったりしてショックだったというのです。  それに、作家達が、のきなみ原稿が書けなかったとも。 「ああ、僕もそうでしたよ」とうなずきました。
9/27
寂しくも懐かしい少年期を過ごした炭鉱町
寂しくも懐かしい少年期を過ごした炭鉱町
ゴールデンウイークは、福岡に帰省していました。  法事だったので、親戚が一堂に会します。子供の頃一緒に過ごしたいとこと久しぶりに会い、「庭の柿の木がなくなったね」とか「昔住んでいた炭住は、全部綺麗な団地になったね」とか、つい昔を懐かしみます。    僕の故郷は炭坑町でした。いとこが住んでいた炭住というのは炭坑住宅の略称で、炭坑労働者が住む長屋のことです。これが軒を連ねて並んでいた。  1960年代初めまではとても栄えたのですが、それ以降は人口が減る一方です。それでも僕が物心ついた頃はまだ栄えた名残があった。  映画館も市内に四つくらいありました。  駅前のアーケード商店街もにぎやかだった。  それが、今では開いてる店の方が珍しい。シャッター商店街の見本です。  町にあった最後の本屋もとうとう閉じてしまった。  最後の映画館はバスターミナルの二階にあったのですが、今では上に上がる階段は閉鎖され、ターミナル自体寂しいものです。夜九時をすぎるとタクシーもいない。  どうしても「昔はにぎやかだったね」という話になりました。 「とうとう町に行くバスが一時間に一本になったよ」と、母が言います。  昔は、15分に一本くらいあった町へのバスが、そんなに減ってしまった。歩くと30分くらいなので、元気があれば歩く方が早かったりする。  田舎は車がないとダメですね。僕は運転免許を持っていないので、田舎に帰るとほんとに何の役にも立たない人間以下の気分になります。
9/27
二つの顔を持つ男たち
二つの顔を持つ男たち
劇団☆新感線の『港町純情オセロ』も無事大阪公演を終えました。  ありがたいことにほぼ満席だったようです。  この時期に、劇場に足を運んでいただいたお客さんに感謝します。  4月30日からは、東京公演の幕が開きます。  公演を打つ方としては、様々な想定の上にできる限りの思いで劇場でお迎えするしかありません。  よろしくお願いします。
9/27
この話題を考える
大谷翔平 その先へ

大谷翔平 その先へ

米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。

大谷翔平2024
アメリカ大統領選挙2024

アメリカ大統領選挙2024

共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。

米大統領選2024
本にひたる

本にひたる

暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。

自分を創る本
『髑髏城の七人』の原点と、新しい可能性
『髑髏城の七人』の原点と、新しい可能性
やっと夏の『髑髏城の七人』の詳細が発表になりました。  脚本はとっくに上がってたのですが、なかなか話題に出来なくて僕ももどかしかったです。  キャストは小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、仲里依紗と、かなり若返りました。
9/27
春のよろこびを素直に受け止めたい
春のよろこびを素直に受け止めたい
前回の原稿を書き上げた翌日、遅い昼食を食べに出かけると、外は気持ちのいい晴天。陽気も暖かくなり、桜もほぼ満開でした。  その桜の下で、写真を撮っている親子連れの姿が。  スーツ姿の父母に挟まれて真ん中にセーラー服の女の子。  中学の入学式から帰ってきて、自宅近くの桜の下で記念撮影をしているのでしょうか。 後ろ姿しか見えなかったのですが、背中からも晴れがましい気持ちが伝わってきて、こちらも背筋がしゃんとなる思いがしました。
9/27
胃痙攣にこりてダイエットに成功
胃痙攣にこりてダイエットに成功
以前、ここにも書きましたが、食べ過ぎて胃痙攣になった話をすると、みんな「自業自得」だと笑います。  しかもみんな「牛丼の特盛りは、ない」と。  女性ならともかく、30代、40代の男性でも「特盛りなんて普通食べないよ。あんたは学生か」と言われます。  いやいや、吉野家の特盛りですよ。確かに松屋の特盛りは多すぎる。僕でも食べきれない。でも吉野家のは、そうでもない。むしろ肉はあのくらいないと食べた気はしないじゃないかと言っても、全く賛同を得られない。  僕は今まで牛丼を食べる時は、だいたい特盛りだったので、その反応に驚かされました。だって並じゃ少ないでしょ、昼ご飯には。と、思うのですが、少数派のようです。  ちなみに、僕は牛丼なら断然吉野家です。つゆが違うと思うのです。
9/27
手軽に発信できるツイッターだからこそ
手軽に発信できるツイッターだからこそ
先日の地震の直後、携帯も固定電話もつながらなくなったのですが、インターネットだけは大丈夫で、ツイッターも生きていました。  知り合いの安否確認なども出来て、「こういう時ツイッターは便利なものだな」と感心していましたが、すぐに「どこそこでケガをして動けない」という悪質な嘘ツイートが流れ出したりして、少し風向きが怪しくなってきたのを感じました。
9/27
言葉は一方通行じゃない
言葉は一方通行じゃない
今回の地震では、いろいろなことを考えさせられています。  東北地方の被災地の方々も心配です。  福島第1原発の事故は、東北や関東だけでなく、日本全体の問題になっています。  まあ、こんなこと、僕が今さら言うまでもなく、みなさんも同じ心境だとは思います。  今、こういう場で何を書けばいいのか、正直、困惑してしまいます。
9/27
公演中止のお知らせと、被災地への祈り
公演中止のお知らせと、被災地への祈り
3月11日の地震が起きた時、僕は自宅にいました。  新感線の制作のS女史と電話していて最初は「あ。揺れたね」などと呑気にしていたのですが、だんだん大きくなり長く続くので、電話を切って、揺れに対処しました。  携帯は不通になりましたが、たまたま子ども達も自宅にいたし、家内とも比較的早くPCメールで連絡がつき、会社にいることがわかり、とりあえず家族の無事は早めに確認出来ました。  かなり大きな地震だとは思いましたが、テレビで東北地方の津波の映像を見て、改めて規模の大きさに愕然としました。  その後も家内とは携帯は通じませんでしたが、メールでやりとりをし、その日は会社に泊まることを確認し、子ども達と三人で夕食を取り早めに就寝しました。  まだ、その時は、ここまでの事態になるとは想像していませんでした。
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山本佳奈
dot. 11/13
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