書評『14歳からの生物学 学校では教えてくれない<ヒト>の科学』サリー・ヒル編/松田良一、岡本哲治監訳 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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14歳からの生物学 学校では教えてくれない<ヒト>の科学 サリー・ヒル編/松田良一、岡本哲治監訳

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吉村博光書評#話題の新刊

14歳からの生物学:学校では教えてくれない〈ヒト〉の科学

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 本書は、オランダの中学生物教科書の邦訳版だ。退屈なはずの教科書なのに、常識を覆す一冊だ。薬物中毒やウイルス感染症、避妊などについて大きく扱っており、日本の中学教科書とは大違いである。コンドームの着け方がイラストで紹介されていたのには驚いた。

 踏み込んだ表現をすれば、生物の教科書というより「若者の命を守る危機管理の本」だ。巻末の「さくいん」では、日本の高校の生物や保健で学ばない用語に下線がつけられている。これを見れば、日本の教科書には「ヒト」が抜けているということがわかる。

 新型コロナの感染拡大は、各国の国民性や課題を浮き彫りにした。日本では10代の妊娠も増えているときく。オランダの若者が学ぶ「ヒト」の科学が詰まった生物学の本書は、日本における「新しい生活様式」の羅針盤ともなる一冊だ。
(吉村博光)

週刊朝日  2020年10月16日号


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