書評『砂と人類 いかにして砂が文明を変容させたか』ヴィンス・バイザー著/藤崎百合訳 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

砂と人類 いかにして砂が文明を変容させたか ヴィンス・バイザー著/藤崎百合訳

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生田はじめ書評#話題の新刊

 意外なことに、私たちは毎日砂に囲まれて生活している。コンクリートは砂と砂利を混ぜたものだし、スマートフォンに使われるシリコンチップも砂で出来ているのだ。本書は砂がいかに文明に深くかかわってきたかを描く。

 最初にコンクリートを活用したのは古代ローマ人。家や浴場をつくった。その後、千年以上、人類はコンクリート建築を忘れる。コンクリートを広めたのはトーマス・エジソンで、人々に奇跡の素材としてこう語りかけた。「火事にならず、シロアリもつかず、カビも生えず、自然災害にも耐えられる」。現代は気候変動で海面が上昇し砂浜が減少、そのためホテルや別荘の景色を再建する業者が活躍している。国土の砂漠化と闘う中国、砂の輸出を禁止するサウジアラビアなど、人類はいまも砂と闘っている。(生田はじめ)

週刊朝日  2020年4月17日号


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