書評『超える力』室伏広治著 |AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

超える力 室伏広治著

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超える力

室伏広治

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日本の首相はアメリカ次第?

9月発足を目指す「原子力規制委員会」だが、「原子力・安全保安院」が経済産業省の組織だったのに対し、新委員会は環境省の下に設置される。ニュースキャスターの辛坊治郎氏はこの組織の人事が新聞2社によってスクープされたことに対して、このように意見を述べている。

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(原子力規制委員会の)この人事を、読売新聞と日本経済新聞が先行報道した。「スクープ」に成功したのが政府の原発再稼働方針に賛成の立場の新聞社という点で、その背景に政権の意図があると見るのが正解だが、こうした人事情報で「抜いた抜かれた」は日常茶飯、目くじらを立てるほどの話でもない。

ところが、これが大問題になった。報道を受けて自民党などが、「正式提案の前に報道された人事案を受け入れることはできない」と騒ぎ始めたのだ。政府の人事案が事前に報道されたら、それを理由に野党が提案を拒否するなどというアホな話が何故まかり通るのか。民主主義国でこんな話は開いたことがない。この「慣習」が生まれたのは、今からわずかに5年ほど前のことだ。

この慣習を作った当時、民主党は日銀総裁人事で、政府提案の候補者を次々に「マスコミで先に報道された」などの理由で拒否した。その結果、消去法で選ばれたのが白川方明(まさあき)日銀総裁だ。現在、民主党内部から、「景気回復の最大の障害は金融緩和に慎重すぎる日銀総裁だ」という批判が日常的に聞こえてくる。いったい誰のせいでこの人物がその地位に就くことになったのか、胸に手をあてて考えるべきだろう。本当にその結果、今日の景気低迷があるのなら、それは、民主党にとっての「自業自得」で済まないことは明白だ。

週刊朝日 2012年9月13日


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