特急「スーパービュー踊り子」用の251系も「おはようライナー」で使用される。「湘南ライナー」と同じく平日のみの運転(撮影/北村 光)
特急「スーパービュー踊り子」用の251系も「おはようライナー」で使用される。「湘南ライナー」と同じく平日のみの運転(撮影/北村 光)

 また、新宿~小田原間のライナーには、特急「スーパービュー踊り子」用の251系電車も充当されている。前面展望タイプを含むグリーン車を普通列車用自由席グリーン券で利用できるなど(グリーン車利用の場合は「ライナー券」は不要)、ハイグレードなトリップを「青春18きっぷ」で楽しむチャンス。

 同じく東海道本線の沼津~浜松間では、「ホームライナー浜松」など3タイプのライナーが運行されている。注目したいのは、沼津を18:31に発車する「ホームライナー浜松」3号(4383M)。この列車は20:10に終点の浜松に着くと、そのまま普通列車977Mとなって豊橋を目指す(豊橋着20:46)。実に167.4kmにも及ぶ区間を特急形車両373系電車で乗り通すことができるのである。

土休日の運転もある東海道本線静岡地区の「ホームライナー」。373系電車が使用される(撮影/島本勝也)
土休日の運転もある東海道本線静岡地区の「ホームライナー」。373系電車が使用される(撮影/島本勝也)

 信越本線の「らくらくトレイン信越」も新潟~直江津間136.5kmというスケール感のあるライナーとなっている。同区間を走る特急「しらゆき」(新潟~新井間)と比べても遜色のない存在感で、まさに「乗り得列車」といえそうだ。なお、ペア列車となる「おはよう信越」(直江津~新潟)はライナー形式ではなく、全車指定席の快速として運行されているのがおもしろい。

 一時は勢力を拡大したライナー系列車だが、昨今は縮小傾向も見られる。2019年3月16日のダイヤ改正では、中央本線の「中央ライナー」と「青梅ライナー」、総武本線の「ホームライナー千葉」が廃止。特急への置き換えなども見られ、「青春18きっぷ」旅での選択肢がやや寂しくなったともいえなくはない。その背景や今後の予測については控えるが、「青春18きっぷ」で乗れるうちに乗っておきたい列車たちといえるのかもしれない。(文/植村 誠)