東京を始発で出発した際の限界地点は……? 思いのほか遠くに到達できる(出典/『旅と鉄道』増刊7月号「青春18きっぷの旅」)
東京を始発で出発した際の限界地点は……? 思いのほか遠くに到達できる(出典/『旅と鉄道』増刊7月号「青春18きっぷの旅」)

 JRグループが春・夏・冬の長期休暇期間に発売する「青春18きっぷ」は、鉄道旅行好きの人にはすっかりおなじみとなった。1枚5日(回)分で11,850円、1日(回)あたり2,370円で、JRの普通・快速列車、JR宮島フェリー、三陸のBRT(バス高速輸送システム)に1日中乗り放題だ。では東京駅を起点に最長、どこまで行けるのだろうか?

【写真】シーズン到来!「元を取る」青春18きっぷの超基本

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■北へは2ルートあるが、いずれも青森で終着

「青春18きっぷ」の1日の利用時間は、「始発から0時を過ぎた最初の停車駅」までである。東京を起点とすると、北へは4時44分発の京浜東北線大宮行きに乗る。これを上野で下車して、次の2ルートが選択できる。

(1)高崎方面から日本海を抜ける

(2)東北本線を北上し、仙台から新庄へ

 まず、(1)のルートから見ていこう。上野から高崎行き5時13分発の高崎線に乗車、高崎着は6時55分である。続いて水上行き7時12分発の上越線に乗り換え、水上着は8時17分。水上からは長岡行き8時28分発に乗車し、長岡着は10時18分。長岡からは新潟行き10時29分発の信越本線で、新潟着は11時29分。新潟からは村上行き11時41分発の白新線・羽越本線で、村上着が12時57分となる。

 ここまでは比較的乗り換え時間が短くて済んだが、以後は長くなる。村上では49分の待ち合わせで、酒田行き13時47分発の羽越本線に乗り、酒田着が16時17分、酒田からは秋田行き16時30分発で、秋田着18時19分、秋田では58分の待ち合わせで、青森行き19時20分発の奥羽本線で、青森着が22時13分。ここでこれ以上は進めなくなり、東京を始発に乗ると、8本の列車に乗り継ぎ、青森まで当日中に行けることが分かった。

「青春18きっぷ」の各駅停車旅でも、本州のターミナル駅では最も北にある青森駅に、その日のうちにたどり着ける。駅の向こうは津軽海峡だ (C)朝日新聞社
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「青春18きっぷ」の各駅停車旅でも、本州のターミナル駅では最も北にある青森駅に、その日のうちにたどり着ける。駅の向こうは津軽海峡だ (C)朝日新聞社

■乗り換えは計10回。仙台・新庄経由の北上ルート

 次に(2)のルートを見よう。上野からは宇都宮行き5時10分の宇都宮線(東北本線)に乗り、宇都宮着6時51分。宇都宮からは黒磯行き6時59分発で、黒磯着7時49分。次いで7時54分発新白河行きに乗り、新白河着が8時18分。新白河からは郡山行き8時22分発で、郡山着9時03分。郡山からは福島行き9時25分発で、福島着は10時11分。福島からは10時40分の快速「仙台シティラビット3号」で仙台着11時56分。快速列車に接続することで、この区間はずいぶん時間短縮になる。

 仙台からは羽前千歳行き12時11分の仙山線に乗り、羽前千歳13時26分着。羽前千歳で山形新幹線と同じ線路を走る、新庄行き13時39分の奥羽本線(山形線)普通に乗って、新庄14時42分着。

 ここから(2)も乗り換えの待ち合わせ時間が長くなる。新庄では57分の待ち合わせで、秋田行き15時40分発の奥羽本線で、秋田着18時11分。秋田で68分待ち合わせて、(1)と同じ秋田発19時20分の青森行きの奥羽本線で、青森着22時13分の到着となる。こちらは10回の列車に乗り継ぐ。

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北海道への行く手を阻む第3セクター鉄道