プロ野球の観戦スタイルは変わっていくのか
プロ野球の観戦スタイルは変わっていくのか

 NPB球団からファンへ向けた「応援に関するお願い」が話題となっている。

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 一部ファンの目に余る暴走が原因で仕方ない部分もある。しかし一方では“愛のあるヤジ”と誹謗中傷の全てが同列に扱われ、批判が許されない状況になる危険性もはらんでいる。

「観戦されるファンの皆様におかれましては、『選手を誹謗中傷するようなヤジ』、『侮辱的な替え歌』は絶対にお止め頂きますようお願いいたします」(4月14日、阪神公式ツイッター)

「『チーム、個人を傷つけるような発言』や『応援歌にあわせた侮辱的な替え歌の合唱』など、相手を誹謗中傷する言動は絶対にやめていただきますようお願いいたします」(4月15日、中日公式ツイッター)

 阪神、中日が同様のお願いを行ったのは異例のことだった。これらは巨人の球団歌「闘魂こめて」に合わせ、他球団ファンが歌詞を変えて合唱する行為を指している。4月20日のフジテレビ系「めざまし8」でも紹介されるなど、ちょっとした社会問題となった。

「かなり前から歌われていたが、そこまで問題視はされていなかった。コロナ禍が終息に向かい声出し応援が可能となったタイミング、NPB主導で対策に乗り出した感じ。昨今、各球団にスキャンダルが目立つため、球場内にモラルを逸脱した声が飛び交うのを抑制するための第一段階だろう」(スポーツマーケティング関連会社関係者)

「昭和時代、特にパ・リーグではファン同士のヤジ合戦が風物詩だった。選手も応えたりして楽しんでいた。しかしコンプライアンスが厳しくなり、昔のようなのユーモアある“からかい”が通じなくなった。またSNSなどでは誹謗中傷が頻繁に飛び交っているのもある」(在京テレビ局スポーツ担当)

 応援自体や統率する応援団の是非を問う声も出始めている。しかし替え歌を歌ったり暴走行為をするのは、ラッパや太鼓で応援を仕切る応援団や球場へ頻繁に足を運ぶ常連ファンではない。一見や年数回しか来ないライトな一般ファンが多いとも言われている。

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最終的には個人のモラル?