体調管理が大切となる冬場に向け、体を元気に保つ意識を高めることが大切になっています。そこで注目されるのが、「免疫ケア」。免疫とは外敵から体を守る防御システムで、もともと持っている「自然免疫」と、後天的に獲得する「獲得免疫」があります。自然免疫を活性化し、獲得免疫を強化するには免疫ケアが欠かせません。
そんな免疫ケアに、いち早く取り組んでいるのがキリンホールディングス(以下:キリン)です。キリンは、お酒や飲料のイメージが強いかもしれませんが、ビール造りで培った発酵技術や、微生物をはじめとする生命体の科学的研究が強み。その経験からたどり着いたのが、「免疫機能こそが日々の健康を支える土台」という考え方です。健康で笑顔あふれる社会を目指し、免疫ケアで健康を守る活動を展開しながら、全国の幼稚園で「免疫ケア習慣化」のサポート活動を始めています。
今回は、実際に取り組みを行っている千葉県の古和釜幼稚園にお邪魔しました。小児科医で小学生2人のママでもある「けいこ豊洲こどもクリニック」院長の塚田佳子先生も、「免疫ケア活動にはとても興味があります!」と話します。
「広い園庭や大きな校舎で、園児たちがたくさん体を動かしていたことが印象的です。紙芝居を楽しんでいる姿も見て、先生方が免疫ケアの取り組みによって園児の健康を守っていることを実感しました」(塚田先生)
まず古和釜幼稚園の葛馬玲子園長に、子どもたちの健康課題について聞きました。
「今は共働き家庭が多く時間のやりくりが大変なため、簡易な食事になりがちで、栄養バランスの偏りが気になります。睡眠時間が少なく、朝起きられない子も目立ちますね。睡眠には外で日光を浴びて体を動かすことが大事なので、園では外遊びを重視しています」
その意見に、塚田先生も大きくうなずきます。
「臨床の現場でも、子どもたちの睡眠不足を感じます。スマートフォンやタブレットの利用時間が増えていることも一因ではないでしょうか。夜遅くまで楽しんでいたり、体を動かす時間が減っていたりしますから。免疫に働きかけるビタミンDは日光を浴びると活性化されるので、積極的に外で遊んでほしいですね」
あらゆる健康課題に対し、古和釜幼稚園では免疫ケアとして、次の三つを実施しています。
1. 子どもたちに正しい生活習慣の大切さを伝える
→ 先生が、オリジナル紙芝居の読み聞かせをする
2. 保護者に免疫ケアの意識づけを図る
→ キリンの飲料サンプルを配布
3. 園児を全力で支えてくれる先生方の健康維持
→ キリンのサプリメントを無償提供
紙芝居の読み聞かせが始まると、夢中で聞き入っている年少クラスの園児たち。紙芝居の内容は、キリンホールディングスのホームページから閲覧可能。
外遊びの前に、年少クラスでは紙芝居『りんちゃんの げんきになるための おやくそく』が始まりました。幼稚園に通うりんちゃんが、毎日元気に過ごすためには「4つのお約束」を守るのが大切であることを学ぶストーリー。4つの約束とは、「早寝・早起き」「ご飯をのこさず食べる」「手洗い・うがい」「天気がいい日は外で遊ぶ」というものです。
「元気を届ける『プラズマン』と悪役の『ダラダラン』が登場するのですが、子どもたちはヒーローものが大好きなのでインパクトが強く、みんな目を輝かせています」(葛馬園長)
園児の様子を見ていた塚田先生も、「楽しみながら知識を増やしていて、素晴らしい取り組みだと思いました」とニッコリ。「親御さんたちも免疫ケアに対して、そこまで強い関心はなかったかもしれません。園にこのような活動があると、まず子どもたちの意識が変わります。それがママやパパに伝わって、家族全体に知識として還元されるようになるでしょう。親としての立場から言っても、忙しい毎日で免疫ケアについて教える時間もなかったりするので、先生方から教えていただけるとありがたいし、子どもたちもすんなり身につけやすいと感じました」
また、幼少期から免疫ケアに取り組むことは、非常に意味のあることだと塚田先生は強調します。
「子どもたちは、学童期、青年期、成人期へと段階を踏んで大人になっていきます。学童期では学校という集団に入るので、免疫ケアで毎日の健康を支える土台づくりができるでしょう。青年期に入って新しい家族を持てば、次の世代を守り、免疫ケアの知識を引き継ぐこともできます。成人期で働き世代になると、職場や満員電車などあらゆる集団に接する機会も多いはず。免疫ケアが習慣化されていれば、健康リスクから自身を守り活動のパフォーマンスも上がります。定期検診をきちんと受けるなど、健康に対する意識も高まるのではないでしょうか」
園でサポート活動をするようになってから、外遊びから戻った園児たちは、今までにも増して手洗い・うがいを率先してやるようになったそうです。また、「保護者にキリンの飲料サンプルを配っていたこともあり、おうちでも免疫ケアが話題になっているようで、この活動をやってよかったと感じます」と葛馬園長がうれしそうに教えてくれました。
免疫ケアが家族の話題になれば、親が自身の健康にも意識を向けるようになるでしょう。その重要性を、塚田先生は指摘します。
「私自身も子育てをしていて、一番倒れてはいけないのは自分だと日頃から痛感しています。大人はある程度獲得免疫がありますが、自分のことを二の次にしがちです。自身をもっといたわってほしいですね。家族全員で健康に対する意識を高め、話をする機会があるのはとても良いことです」
子どもたちだけでなく、保護者や先生など周りの人も免疫ケアを実践し、それぞれの健康を守ることが大切。
保護者や先生の元気な笑顔が、子どもたちを支える。
今回のサポート活動を通して、園としての意識に変化はあったのでしょうか。
「とても変わったと思います。手洗い・うがいといった免疫ケアは当たり前にできていましたが、園児の将来の健康を守る意味でも、さらに強化していくことが園全体の共通認識として根づきました。また、私たち自身が健康でないと、子どもたちの活動と安全を守れません。先生側もキリンのサプリメントを取り入れ、早寝早起きや栄養バランスの良い食事などの意識づけにもなっていると思います」(葛馬園長)。
ご家庭にパンフレットなどを配布し、家族で習慣化に取り組めるよう働きかけている。
古和釜幼稚園事務長の金子盛晃さんも、次のように話してくれました。
「今までも園児たちに、『早寝早起きをしよう』『寒くても外で遊ぼう』『ご飯を全部食べよう』などと呼びかけていましたが、それは社会で生活していく上で必要な、“しつけ”の意味合いが強かった気がします。しかし、サポート活動をする中で、科学的な根拠があって健康を維持するために必要なことだったのだと認識を新たにできました。子どもたちには説得力と自信を持って、免疫ケアの呼びかけができるようになったのが大きな変化です」
キリンでは2024年11月現在、全国706の幼稚園でサポート活動を実施中です。キリンホールディングス株式会社 マーケティング戦略部 磯貝明子さんは、「2029年までには、活動に協力していただく幼稚園などの施設を5000園に広げることが目標です。いつか、免疫ケアが歯磨きのように当たり前になることを願っています」と展望を話してくれました。子どもたちとその家族、そして先生方が免疫ケアを習慣化して体の内側から健康になるように、これからもキリンの思いをのせて活動は続きます。
PROFILE
けいこ豊洲こどもクリニック
院長
塚田佳子さん
獨協医科大学医学部卒業。日本小児科学会認定小児科専門医、身体障害者福祉法指定医、子どもの心相談医。獨協医科大学附属病院や那須赤十字病院などでの勤務を経て、2020年に開業。小学3年生と4年生のママ。
学校法人聖明学園
古和釜幼稚園 園長
葛馬玲子さん
学校法人聖明学園
古和釜幼稚園 事務長
金子盛晃さん
提供:キリンホールディングス