■住民自らで管理の動きも

 管理会社に頼り切らずに一部を住民で運営するなど、管理方法を見直す新たな動きも出ている。

 横浜市内にあるマンションは、2021年11月から会計業務や理事会の運営などを住民自らで担うことになった。2020年ごろから、管理会社に管理費の値上げを打診されてきたが、年金暮らしの住民もおり、応じるのが難しいことなどから解約。三菱地所のグループ会社イノベリオスが提供するアプリ「KURASEL(クラセル)」で管理し、コストを抑える。

 80代の女性理事長は「自分たちでうまく管理できるかはこれからだが、管理方法を見直す良い機会だった」と話す。

「メルすみごこち事務所」社長でマンション管理士の深山さんも5年ほど前、管理会社を設立。警備や設備保守では、管理組合が業者と直接契約する新たな仕組みを提案し、管理コストを抑える。通常の管理会社は、警備などの業務を専門業者に再委託する際に「中抜き」が発生するため、管理費が高くなる傾向にあるという。

 深山さんは「これまでのマンション管理は、住民が管理会社に管理を丸投げする形が普通だった。住民でできるところは自分たちでしたり、契約方法を変えたり、管理のあり方を見直す転換点が来ている」と話す。

【朝日新聞デジタル連載 「高齢化するマンション」】