2020年に阪神に在籍したボーア
2020年に阪神に在籍したボーア

 コロナ禍はNPBの外国人選手にも大きなインパクトを与えた。来日のタイミングさえ違えば結果を残せた選手がいたとう意見も少なくない。

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 新型コロナウイルスは2020年のシーズン開幕前から猛威を振るい、昨年まで日本のスポーツ界にも大きな影を落とした。無観客での試合開催など様々な影響もあったが、その中の一つが外国人選手のパフォーマンスの低下だ。

 NPBにはコロナ禍の中でもMLBで実績のある選手自体は多く来日。しかしインパクトを残すことなく“いつの間にか”帰国してしまった感覚になるような選手も少なくなかった。

「技術、コンディション、メンタル……。成功するために必要な全てにおいて逆風が吹いていた状況。2020年シーズンは試合数も短縮され、日本野球に慣れる十分な時間が取れなかった。来日が遅れたためウエイトオーバーの選手もいた。家族を国に残してきた選手は平常心を保つのも難しい。タイミングが悪かったとしか言いようがない」(MLBアジア地区担当スカウト)

 コロナ禍での3シーズンの間に来日した新助っ人に限定すると、打者、投手ともに主要タイトルを獲得した選手は一人もいない。「助っ人」と呼ばれるように、外国人選手はチームのシーズン成績を変えてしまうようなインパクトを与える選手は少なくないが、コロナ禍では苦しんでいる選手が多かった証拠でもある。

「(コロナ禍の時期に)大きな期待をされたのはアダム・ジョーンズ(オリックス)。来日2年目の2021年には、代打などで活躍してチーム25年ぶりのリーグ優勝に貢献するなど、存在感は発揮した。しかしMLB時代の活躍からすると物足りなく、オプションとなっていた3年目の契約延長に至らなかった」(オリックス担当記者)

 メジャー通算1939安打を誇るジョーンズは大きな期待をされて入団したが、2シーズンで計159試合に出場して114安打、16本塁打、66打点と苦しんだ。1年目には開幕が延期され、再びチームに合流した際には体重が明らかに増えており、コンディションの面でコロナ禍が影響したのは間違いないだろう。

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巨人には“活躍できた”選手多かった?