新作に込めた思いを語る秦 基博さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)
新作に込めた思いを語る秦 基博さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)

 秦 基博が約3年ぶりのオリジナルアルバム『Paint Like a Child』をリリースする。彼が40代になって初のアルバムだ。「普段は一人前の大人みたいな顔してますけど、一皮むけば“ぜんぜん成長してないな”と思います」と笑顔で語る秦の、新作に込めた思いとは。また、これからのキャリアをどう捉えているのかを聞いた。

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 2006年のデビュー以来、「ひまわりの約束」(2014年/映画「STAND BY ME ドラえもん」主題歌)「泣き笑いのエピソード」(2020~21年/NHK連続テレビ小説「おちょやん」主題歌)など、世代を超えて支持される楽曲を生み出してきた。彼は今、もっと自由に音楽を楽しみたい」という思いを抱いているという。

■新作のタイトルはピカソの言葉

 2021年にデビュー15周年を迎え、弾き語りベストアルバム『evergreen2』のリリース、横浜アリーナ、大阪城ホールでの単独公演開催など、コロナ禍においても精力的に活動してきた秦 基博。「コロナの影響が広がりだした2020年はなかなか新しい曲を書く気にならなかった」ということだが、コンサート活動の再開とともに、創作意欲も戻ってきたという。その指針は、「自分がいいと思うメロディー、カッコいいと感じるサウンドを素直に追求すること」。

「生楽器と打ち込みの音を組み合わせたり、アデルやジャスティン・ビーバーなど自分が好きで聴いているアーティストの歌の存在感を参考にしてアレンジしたり。テーマやコンセプトを決めず、とにかくやりたいことを吐き出すように曲を作ってました。自分のパブリックイメージはコントロールできないし、それにとらわれる必要もないし、むしろどんどん逸脱したほうが面白いと思っていて。同じようなことをやってもつまらないし、新しい“秦 基博らしさ”を更新できたらなと」

 3月には約3年ぶりのニューアルバムをリリースする。その作品に彼は、『Paint Like a Child』というタイトルを冠した。由来は、晩年のピカソが残したといわれる「ようやく子供のように描けるようになった」という言葉だ。

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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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