天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ(撮影/写真部・掛祥葉子)
天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ(撮影/写真部・掛祥葉子)

 9月に「環軸椎亜脱臼(かんじくつい あだっきゅう)に伴う脊髄症・脊柱管狭窄症」であるということがわかり、現在は入院してリハビリ中の天龍源一郎さん。今回は入院先から主治医の許可をもらいながら、ハワイの思い出を語ってもらいました。

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 最近はようやく海外旅行へも行けるようになって、これまで行きたくても行けなかった人たちは喜んでいるだろうね。嶋田家の海外旅行といえば、なんといってもハワイだ。大相撲のハワイ巡業や全日本プロレスに入団した当初に何度か行ったことはあるけど、初めてハワイが楽しいと思ったのは、1989年に楽ちゃん(故・三遊亭円楽さん)たちと嶋田家で行ったとき。

 そのときは楽ちゃんがいろいろな店や楽しみ方を教えてくれてね。俺も家族もすっかりハワイが気に入った。楽ちゃんはハワイに別荘のマンションを一室持っているくらいだからね。でも、その別荘には行ったことはなかったけど……。

 そうやってハワイの楽しみ方を覚えてからは毎年のように年末になると家族でハワイ旅行だ。最初は5泊だったのが1週間、10日、2週間となり、最後は1カ月ほど滞在するようになった。さすがに1カ月もいるとやることがなくて飽きちゃったけど(笑)。

 ハワイでは観光スポットに行くこともなく、ずっとホテルやビーチで過ごして、食事は中華料理やステーキが多かったかな。最初はホテルで食事していたけど、朝起きるとブッフェ、夜もブッフェで、夜は20ドル、ランチは7~8ドルもしてたいしたもんが食えないから、それじゃあ無駄だなって、外で食べるようになった。

 よく行っていたのはステーキの「チャックス・セラー」。そこは俺が全日本プロレスに入団したとき、アメリカ修行にハワイ経由でアマリロ(テキサス州)へ渡ったんだけど、そのときにジャイアント馬場さんに連れて行ってもらった店だ。馬場さんがお気に入りの店だけあって、雰囲気も印象もよくて俺もすっかり気に入ってね。「こんな店を知っている俺」を見せたくて、女房や娘を連れて行くようになったんだ(笑)。

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天龍源一郎

天龍源一郎

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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