巨人の小林誠司
巨人の小林誠司

  巨人の小林誠司が正捕手獲りへ、バットでアピールしている。

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 今年初実戦となった12日の紅白戦で、2回2死一塁から左腕・井上温大の2球目を右中間に運ぶ適時二塁打を放つと、17日の紅白戦でも1点差を追いかける2回2死一、二塁の好機で、赤星優志の1直球を中前へはじき返す同点適時打。2試合連続適時打と幸先良いスタートを切った。

 スポーツ紙記者は「正捕手の大城卓三がWBCでチームを離れている時期は、捕手陣がアピールのチャンスです。小林、山瀬慎之助、岸田行倫がしのぎを削っている。小林は打力の向上が全て。大久保博元打撃チーフコーチが熱心に指導し、阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ、亀井善行打撃コーチも身ぶり手ぶりで助言を送っている姿が見られる。本人も必死でしょう」と語る。

 かつては正捕手だった小林だが、厳しい立場に追い込まれている。近年は出場機会を減らし、打率を見ると、20年が.056、21年が.093、昨年が.148と寂しい数字となっている。スポーツ紙デスクは「自慢の守備にも陰りが見えている。盗塁阻止率が16年から4年連続リーグトップだったが、昨年は盗塁阻止率.214。投手との共同作業なので小林だけの責任ではありませんが、純粋な肩の強さで言えば、山瀬の方が上でしょう。キャッチングではじく場面が多いのも気になります。大城の配球面に批判の声は少なくないが、小林が正捕手に返り咲くのは現実的に厳しいと思います。33歳という年齢を考えると、打撃が劇的に変わることは考えづらい」と手厳しい。

 ただ、正捕手だけで1シーズンを戦えるかというとそうではない。近年、存在価値が高まっているのが「第2捕手」だ。ヤクルトは侍ジャパンに選出された中村悠平が大黒柱だが、成長著しい内山壮真が控えている。ベテラン・石川雅規の時には先発マスクをかぶり、打撃もパンチ力がある。リーグ連覇を支えた1人だ。2年連続V逸のソフトバンクは昨オフに、DeNAからFA宣言した嶺井博希を獲得している。甲斐拓也という絶対的捕手がいるが、「第2捕手」を重視しているからこその補強戦略だ。

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