カラテカの入江慎也さん(撮影/中西正男)
カラテカの入江慎也さん(撮影/中西正男)

 そうなると、完全にそれが自分の武器だと思うし、吉本も会社をやることを認めてくれているとなると、お墨付きをもらった気にもなっていました。

 いったん光が当たると、光が当たらなくなることへの恐怖が常にある。また知られなくなるなんてことは怖くてたまらない。「逆戻りはできない」。そう思うと、どんどんその強度を強めていくしかないですし、どんどんやってました。

 その中で人をつなぐことの重みがだんだんと失われていったというか、慣れもあったと思いますし、油断とおごりがあったと思います。

 講演会も順調だったし、独身だから自由に遊べるし、お金も十分いただいていた。何回かトラブルになりかけたこともありましたけど、その都度、きちんとお話をして解決もしてきた。となると、いつの間にか「自分は大丈夫」とより一層、思っていたんでしょうね。

 今から思うと、完全に自分のキャパシティーを超えることをやっていたんだと思います。だから、遅かれ早かれ、こういう“闇営業”問題じゃなかったとしても女性問題とか、金銭トラブルとか、何かしら起こっていたと思います。

 今の僕なら、「そんな道を、そんなアクセルベタ踏みで走ってたら絶対に事故る」と当時の僕に言えるとは思います。それくらい脇が甘かったです。ま、何もかも、後の祭りではあるんですけど。

 先輩に忘年会に遊びに来てもらう。別に仕事でもないし、遊びだったら吉本を通さなくてもいいじゃないか。そんな思いで、いわゆる“闇営業”になった場にも皆さんを招いてしまいました。

 今になってみれば、思慮が浅くて都合の良い解釈です。宮迫博之さん、田村亮さん、「レイザーラモン」HG、「ガリットチュウ」福島(善成)君とか皆さんコンビですからね。相方さんがいることにまで思いが及んでなかった。さらに言うと、皆さん、担当している番組もある。そこのスタッフさんにも影響が及ぶ。人と人をつなげるということはそこまでのリスクもある。当時はその意識もありませんでした。

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