先発陣は大野雄大柳裕也小笠原慎之介、松葉貴大、高橋、涌井と6本の柱がそろい、いずれも2ケタ勝利をクリアできる力を持っている。ドラフト1位右腕・仲地礼亜(沖縄大)は完成度が高い即戦力右腕で、先発ローテーションに割って入る可能性が十分。昨季リーグ2位の防御率2.96だった救援陣もコマはそろっている。6勝、39ホールドで最優秀中継ぎ投手に輝いたジャリエル・ロドリゲス、今季頭角を現した清水達也、祖父江大輔、藤嶋健人、谷元圭介とクオリティーの高い投手たちがそろい、39セーブでタイトルを獲得した絶対的守護神のライデル・マルティネスにつなぐ「勝利の方程式」が確立している。層の薄い左のセットアッパーは、砂田の加入が心強い。来年から投手に専念する根尾昂の活躍も注目される。

 他球団のスコアラーは、「中日が一番未知数。外国人選手をどう使うか、二塁に誰を抜擢するかは春季キャンプ、オープン戦を見ないと分からない。力のあるチームであることは間違いない。今年は最下位だったが、リーグ連覇したヤクルト相手に14勝10敗1分と対戦カードで勝ち越していますから。セ・リーグは球団間の力が拮抗している。来季は順位が大幅に入れ替わっても不思議ではない」と分析する。

 チーム変革へ、リーグワーストの414得点だった打線が、ガラッと変われるかどうかが上位浮上のカギを握る。岡林、安打製造機の大島洋平、正捕手の木下拓哉を除き、5つのポジションはレギュラーが白紙の状態だ。ドラフト2位・村松開人(明大)、5位の浜将乃介(福井ネクサスエレファンツ)、6位の田中幹也(亜大)、7位の福永裕基(日本新薬)も実戦で結果を残せば、定位置獲りのチャンスはある。生まれ変わった立浪竜が、下克上を狙う。(今川秀悟)