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冬になると多くなる皮膚の病気の一つ、「しもやけ」。かゆみと痛みが主な症状ですが、なぜかゆくなるのでしょうか? 「近年、かゆみのメカニズムの解析が進んでいる」と語る近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師に、なぜしもやけでかゆくなるのかを聞いてみました。

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 しもやけは手足の指先や耳が赤紫色にはれる病気です。冬の寒い時期に起きやすく、血液の循環が悪くなることが原因です。気温が4~5度、一日の寒暖差が10度前後になると発症しやすいと言われています。そのため、真冬より初冬や春先に多く見られる皮膚疾患です。

※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 しもやけの典型的な症状はかゆみと痛みです。両方が合わさって痛がゆいと感じる人もいます。症状が悪化すると、水ぶくれができたり、ひどい場合は潰瘍(かいよう)になるケースもあります。手袋や靴下の中で手足が汗などで濡れたままでいると、乾燥する際に皮膚表面の温度が下がりしもやけになりやすいとも言われています。

 近年、かゆみのメカニズムの解析が進んでいます。かゆい皮膚病の代表例といえば、じんま疹とアトピー性皮膚炎となりますが、この二つの病気はかゆみのメカニズムが全く異なります。

 じんま疹は皮膚に存在する肥満細胞がヒスタミンという物質を放出しておきる病気です。かゆみの原因はこのヒスタミンです。そのため、市販でも購入できる抗ヒスタミン薬を飲めば多くの場合、かゆみが治まります。

 一方、アトピー性皮膚炎のかゆみは、じんま疹で重要なヒスタミンはあまり関与していません。つまり、抗ヒスタミン薬を飲んでもかゆみが治まらないことが多いです。アトピーのかゆみはTh2サイトカインと呼ばれるたんぱくがかゆみの原因ということが近年明らかとなりました。2018年にTh2サイトカインを抑える薬が登場してからはアトピーのかゆみが劇的に改善する患者さんが増えています。

 では、しもやけのかゆみはどうでしょうか?

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研究が進んできたのはここ10年くらい