巨人・坂本勇人
巨人・坂本勇人

 球史に残る名遊撃手である巨人坂本勇人も来季で35歳。ベテランの域に差し掛かっておりポジションのコンバートもささやかれるが、近い将来に実行に移されるのだろうか。

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 坂本はこれまで遊撃手として5度ゴールデングラブ賞を受賞。今季は同賞をリーグ連覇を果たしたヤクルトの若手・長岡秀樹に譲ったが、高卒2年目の2008年にレギュラーに抜擢されて以降、得意の打撃のみでなく長きにわたって守備でもチームを牽引してきた。

「(プロで)試合に出始めた頃は簡単なミスが目立った。肩など身体能力に長けているので、簡単に守備をしてしまっているという印象だった。年々、丁寧になり堅実性も高まった。今では間違いなくトップクラスの遊撃守備だと思う」(在京球団編成担当)

「素晴らしい出会いがあり守備への思いが強くなっていった。故・木村拓也さんがコーチだった時期にはマンツーマンで鍛えられた。宮本慎也氏(元ヤクルト)と関係を深めたのも大きかった。守備の重要性と楽しさ、難しさを理解したようだった」(巨人関係者)

 プロ入り後の鍛錬もあり、元々評価の高かった打撃だけではなく、遊撃の守備でもNPBを代表する選手となった。実績、存在感ともに今でもリーグ屈指の存在ではあるが、同時にセイバーメトリクスの守備指標などが年々落ち、衰えがあるのも事実だ。遊撃手は守備での負担も多いだけに、打撃に集中するためにも負担の少ないポジションにコンバートすべきという声は大きくはなってきている。

「今後のチームや本人のキャリアを考えるとコンバートは早いに越したことはない。遊撃手は最も過酷とも言えるポジションであり、ハヤトのためにも負担を少なくしてやりたい。代わりを育てるのは時間がかかるので、すぐにでも決断すべき」(巨人OB)

「坂本自身も置かれた状況は理解している。もちろん慣れ親しんだ遊撃手へのこだわりはあるだろうが、チームの勝利を大事にする男。状況が好転するのであれば与えられた場所で今まで以上に頑張るはず」(巨人関係者)

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近年は負傷で出場試合数が減…