今季はオリックスの日本一に貢献した吉田正尚
今季はオリックスの日本一に貢献した吉田正尚

 オリックス・吉田正尚がポスティング制度を利用してメジャーリーグへの移籍を目指すことが決まった。日本人野手は米国で苦しむ傾向にあるが、実際メジャー側の評価はどうなのか。そして、どのチームと契約するのだろうか……。

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 飛び抜けた豪打でチームを26年ぶりの頂点に導いた男の野球人としての第二章が始まろうとしている。

 身長173cm、体重85kgの小柄な体つきを感じさせない飛距離と打球速度。日本屈指の打者となった吉田が最高峰の舞台でも力を発揮できるか注目が集まる。

「打撃の評価は高く、多くのメジャー球団が興味を持ってマークしている。正確なコンタクト力があり、球種やコースに逆らわない打撃ができる。またスイングスピードに優れており、ボールを強く打ち返すことで飛距離も出る。過去、日本人選手が苦しんだ日米の投球スタイルの違いにも対応できるはず」(MLB某球団アジア地区担当スカウト)

 正確性と長打力を兼ね揃えた吉田は、プロ入り2年目以降は打率3割以上をマークし続け、2020年からは2年連続で首位打者を獲得した。またコロナ禍で試合減となった20年を除き、ここ5シーズン続けて20本塁打以上を記録。出塁率と長打率の両方を合わせたOPSも、最近2年間はリーグトップとなっている。

「スイングスピードの速さがすごい。打席に入る前の素振り時から音が聞こえてくる。見逃すだろうと思ってミットを閉じようとすると、バットが出てきて打ち返されることが度々あった。ボールをギリギリまで引きつけ見切ってから打つ。出塁率、長打率の両方が高いのが理解できる」(パ・リーグ球団に在籍する捕手)

「NPBでは長距離打者の印象もあるが、吉田クラスのパワーを持った打者は米球界には数多い。出塁率の高さへの評価が高く、打点ではなく得点に期待されている。1、2番を任せられると考え得点力を上げたい球団が注目している。ヤンキースが興味を持っているという報道も多い」(在米スポーツライター)

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打撃の評価は高いが…