ハーバード卒のパックンも絶賛！教室がパニック状態になるアメリカの「超リアルな金融教育」

　たとえば、「N／S高投資部」という、実際に運用資金を手にした高校生が、株式投資にチャレンジする取り組みが行われています。投資家の村上世彰さんが創設した一般社団法人村上財団と、角川ドワンゴ学園が資金を提供していて、高校生たちは村上さんの特別講義なども受けられるそうです。

　僕は10年ほど前に、このN／S高投資部を取材させていただきました。あのときは、「エルニーニョ現象が起きたら、投資にどう影響する？」という設問に対して、生徒さんたちが真剣に答えていたのが印象的でした。

　エルニーニョ現象でオーストラリアは干ばつ、アメリカ西海岸は水害が起きたりする傾向にあるから、その地域の農業に影響が出て◯◯の株価は下がるだろう。一方、穀物の値段が上がるから◯◯の株価は上がり、先物は◯◯するだろう、という話を、高校生たちが（！）していて感心しました。

　ちなみに、投資部にも大会があるらしく、N／S高投資部は全国屈指の強豪校でした。

　そこの生徒さんたちがグーグル株に興味を持っていたことを覚えています。

　あのとき、彼らの言うとおりグーグルの株をちゃんと買っておけば、今は毎日、スタバで好きなだけトッピングできるような生活をしているはずだったのに……。

　ちょっと悔しい！

（構成／増田侑真）

パックン
本名：パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。