ロッテ・ロメロ
ロッテ・ロメロ

 チームの成績にも大きく左右することが多い外国人選手。シーズン前の期待通りに成績を残す選手は多くないが、逆に期待以上の働きを見せる選手も確かに存在している。そんな外国人選手について、今シーズンの活躍ぶりと年俸などからベスト3とワースト3を選出してみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。

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■3位:ロメロ(ロッテ・推定年俸5000万円)

20試合 8勝9敗0セーブ0ホールド 防御率3.36

 2019年に中日に入団して先発として8勝をマークしたが、翌年は左肩を痛めた影響で登板がなくオフには退団。昨年6月に再び来日してロッテに入団すると、今年は開幕からローテーションの一角に定着し、チーム3位となる8勝をマークする活躍を見せた。150キロを超えるストレートと変化にバリエーションのあるスライダーで好調時の投球は圧巻。シーズン終盤に調子を落としたのは気がかりだが、来年も先発の一角として期待したい。

■2位:エンス(西武・推定年俸1億円)

23試合 10勝7敗0セーブ0ホールド 防御率2.94

 メジャーでは通算2勝と実績はないものの、マイナーリーグでの安定した投球が評価されて今年西武に入団。コロナ禍で来日が遅れ、前半戦はなかなか勝ち星に恵まれなかったが、8月から9月にかけて4連勝を記録するなど先発ローテーションの一角として活躍し、チーム2位タイの10勝、防御率も2点台と見事な成績を残した。ストレートはコンスタントに150キロに迫り、同じ軌道から鋭く変化するカットボールも一級品だ。コントロールと緩い変化球のレベルを上げることが2年目のポイントとなるだろう。

■1位:モイネロ(ソフトバンク・推定年俸3億円)

53試合 1勝1敗24セーブ8ホールド 防御率1.03

 2017年に育成選手として入団し、1年目から支配下登録されると、その後は驚くような成長を見せて中継ぎの一角として活躍。昨年はキューバ代表として東京オリンピックの予選に出場したこともあって登板数を減らしたが、今年は不調の森唯斗に代わって抑えを任せられ、見事な成績を残した。150キロ台中盤のストレートとブレーキ抜群のカーブ、チェンジアップなど全てのボールが一級品で、パ・リーグで最も安定しているリリーフ投手と言える。順調なら来年は最多セーブのタイトル獲得も期待できるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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