「そのとき、ちょうど家族のことで、ごちゃごちゃしていることがありました。それをぐちっていたところに付け込まれました。それ以降、先祖解怨だ、祝福だ、日韓トンネル建設だ、などの名目が次々と出てきて、寄付を取られました」

 しかし、旧統一教会との関係や、多額の寄付をしていたことに家族が気づくと、家族の協力もあって、Bさんは何とか旧統一教会と距離を置くことができた。

 現在、Bさんの手元には、旧統一教会の信者にカネを貸した資料が残っている。Bさんらによると、旧統一教会では、寄付などで困窮する信者が「篤志家」からカネを借りてそれを教会に寄付するということがあった。今も数百万円が返済されていないという。

「私もお金がなくなり、もうダメだというときでした。年末、年が変わろうとしているタイミングで連日、信者が自宅に押しかけてきました。『500万円の生命保険があるだろう。それを出せ』と迫るのです。それまで10くらいあった生命保険を解約しては寄付をしてきた。旧統一教会は私の資産を知り尽くしていて、子どものために最後まで残していた500万円も出せというのです。ずっと断り続けたが、信者から『出せ!』とテーブルをたたかれて脅され、寄付をさせられました。旧統一教会は宗教ではないです」

 と話すBさん。

 今も残されている、ペンダントの数々。AERAdot.2022年9月21日付で報じた「旧統一教会『霊感商法』商品カタログ入手 返品されても損しない仕組みとは」のカタログでは、Bさんの買った「宴の時」は715万円と記されている。

 数年前、Bさんは、商品にどれくらいの価値があるのか、宝石店に持ち込んだ。

「旧統一教会への信仰などはないですが、商品も使用していないので一定の価値はあるだろうと思っていました。だが、鑑定の結果、ゼロ円という。ペンダントの一部に使用されている金は本物のようだが、ブランド品でもなく価値がないという。金を取り外し、溶かして売ればお金になりますが、その手間、手数料があるので、差し引きゼロ円という説明でした。あきれました」

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