Bar Nostalgia/大人がゴキゲンに過ごせる地下の穴場。落ち着いた店内はまさに隠れ家だ。「偽電気ブラン」(900円)は、森見登美彦さんの小説『有頂天家族』にちなんだオリジナルのお酒
Bar Nostalgia/大人がゴキゲンに過ごせる地下の穴場。落ち着いた店内はまさに隠れ家だ。「偽電気ブラン」(900円)は、森見登美彦さんの小説『有頂天家族』にちなんだオリジナルのお酒

 ゆっくり過ごしたいという人に唐澤さんがすすめる隠れ家バーは「Bar Nostalgia(バー ノスタルジア)」。にぎやかな河原町通に面していながら、地下ゆえに、喧騒とは無縁の落ち着いた店内。「秘密基地のような広い空間が素敵なんです」と唐澤さんは言う。

 国内外のウイスキーからオリジナルカクテルまで多彩なメニューが揃い、オーナーバーテンダーによる丁寧で親しみやすい接客も好評。バー初心者にも最適の店だ。「マスターが親切で、一人一人の好みに合ったお酒を提供くださいます。ご近所さんにも文化人の方々にも愛されているのが印象的なバーです」(唐澤さん)


 実際、森見登美彦さんの小説『有頂天家族』に登場するバーのモデルとなった店でもあり、作品にちなんだお酒も味わえる。洋食やおつまみ、デザートとフードも充実している。

祇園 鳴海屋/ここのわらび餅は本わらび入りで、時間がたってもふるふると柔らかい。10切きなこ付き(写真は和三盆味)で380円。近江米と北海道産小豆を蒸し上げた赤飯は100グラム190円
祇園 鳴海屋/ここのわらび餅は本わらび入りで、時間がたってもふるふると柔らかい。10切きなこ付き(写真は和三盆味)で380円。近江米と北海道産小豆を蒸し上げた赤飯は100グラム190円

 京都人の生活に寄り添うお菓子を味わえる店もある。「祇園 鳴海屋」だ。八坂神社のお膝元、祇園石段下で昭和初期から続く町の「おまん屋さん」。みたらし団子ややきといった普段のおやつや、正月、お盆、季節ごとのお菓子をそろえ、近所のおなじみさんから観光客までに広く愛されている。人気のわらび餅は、黒糖、和三盆、抹茶などの定番を始め、いちごや桜風味といった季節限定の味も登場。購入した商品は店頭の簡易席ですぐに味わうこともできるという。

「今では珍しくなった石臼で、毎日心をこめてお餅をついていらっしゃいます。お祝い事用のお赤飯や、京都の方が普段のおやつとして召し上がるような餅菓子やお饅頭も、ぜひお試しを」(唐澤さん)

◆バッキー井上さん おすすめの3軒
(酒場ライター/「錦・高倉屋」店主)

バッキー井上さん/酒場ライター。「錦・高倉屋」店主。もう一度行きたくなるのは、「食事の楽しさとお店を出てからの余韻」。「京都は普段使いの料理のレベルがとても高いので、街を歩いてフラッと入るのもいいと思います」
バッキー井上さん/酒場ライター。「錦・高倉屋」店主。もう一度行きたくなるのは、「食事の楽しさとお店を出てからの余韻」。「京都は普段使いの料理のレベルがとても高いので、街を歩いてフラッと入るのもいいと思います」

 高校生の頃から酒場に惹かれ、ジャズ喫茶やロック喫茶などに出入りしていたというバッキー井上さん。画家、踊り子、「ひとり電通」などを経て錦市場の漬物店「錦・高倉屋」店主となった。そのかたわら、酒場ライターとしても活躍。京都の街・人・店について名文を多く残している。

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ツウが週1で通う店