高校時代(中京大中京)の沢井廉
高校時代(中京大中京)の沢井廉

 プロ野球ドラフト会議まであと約3週間となり、各球団の動向や候補選手についての報道も多くなる時期となってきた。今年は本命らしい本命は不在という印象で、近年多かった事前の1位指名公表も少なくなることが予想されるが、各球団どんな選手を狙うべきなのか。補強ポイントと、その選手がチームにマッチするかという点から探ってみたいと思う。今回は現在パ・リーグAクラスのソフトバンクオリックス西武の3球団だ。

【写真】日ハムの補強ポイント! 注目選手がこちら

*  *  *

【西武】

 昨年の最下位から浮上した西武。近年指名した投手が主力になっており、昨年上位で指名した隅田知一郎と佐藤隼輔の2人もプロのレベルに苦しみながらもそれなりに存在感を示している。一方で野手は長年チームを支えてきた中村剛也と栗山巧の2人が1年を通じての活躍が難しくなっており、それ以外のレギュラーも軒並み中堅、ベテランとなっている。若手野手も少し伸び悩みが目立つだけに、今の主力に余力があるうちに、将来性のある野手を狙いたいところだ。

 ポジション的にはレギュラーの固まらない外野が気になるところだが、ポジションにかかわらず中村と山川穂高の後継者となる強打者を狙いたい。そこで筆頭候補としたいのが同じおかわり体型のスラッガーである内藤鵬(日本航空石川・三塁手)だ。180センチメートル、100キログラムの巨漢でパワーはもちろんだが、スイングに柔らかさがあるのも中村、山川と共通している。長打力に関しては高校球界でも随一と言える存在で、夏の石川大会では厳しいマークに苦しみながらも特大の一発を放った。投手としても140キロ近いスピードボールを投げるなど、肩の強さも十分だ。

 一方で外野手を優先するのであれば蛭間拓哉(早稲田大)が有力候補になるだろう。浦和学院時代にもU18侍ジャパンに選ばれた左の強打者で、早稲田大でも順調に成長し、大学日本代表の中軸としても活躍している。たくましい体格ながら脚力も抜群で、走塁に対する意識も高い。打つ形に悪い癖がないだけに、早くから一軍の戦力となることも期待できそうだ。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
オリックスの補強ポイントは?