しかし昨年見せていた選球眼の良さと勝負強さは天下一品で、今年も少ない出場ながら二軍では圧倒的な成績を残しており、今年で31歳とまだまだ若いのはプラス要因だ。もし大幅な減俸となる条件をのむということであれば、貴重な右のパワーヒッターだけに獲得に動く球団が出てきてもおかしくないだろう。

 パ・リーグの野手で真っ先に名前が挙がるのがレアード(ロッテ)だ。日本ハムに在籍していた2016年にはホームラン王にも輝き、今年4月にはNPB通算200本塁打を達成するなど長くリーグを代表する長距離砲として活躍している。しかし今シーズンはチームトップの本塁打数を放ってはいるものの、打率は1割台と低迷。腰の故障で長期離脱した2020年を除いて、最も苦しいシーズンとなっている。守備に関しても年々衰えが見られており、今年は大半が指名打者での出場となっている。

 約3億円と見られる高額な年俸もネックだが、それでも退団と言い切れないのはチームの得点力不足が深刻だからだ。チーム本塁打数はリーグ5位、チーム打率はリーグ最下位と盗塁以外の数字は軒並み低調で、安定して長打を期待できる選手は不在の状況となっている。もう1人チームを支えていたマーティンが家庭の事情で既に帰国し、このまま退団が濃厚と見られており、実績のある外国人選手が2人抜けることを懸念する声が出てくることも十分に考えられる。残り試合で持ち味の長打力を発揮すれば、残留の可能性もまだありそうだ。

 投手で気になるのが巨人のデラロサとビエイラの2人だ。デラロサは2019年の来日以来中継ぎ、抑えとして活躍してきたが、今年は開幕から調子が上がらずに2度の登録抹消を経験。これまでで過去最低の成績となる可能性が高い。さらに深刻なのがビエイラで、昨年はNPB史上最速となる166キロをマークするなど抑えとして活躍したが、今年は9試合に登板して防御率9点台と全く戦力になっておらず、8月には二軍戦で左脛骨を骨折し今シーズン中の復帰は絶望的となっている。

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2人が退団の場合は争奪戦に?