リリーフで急成長を見せているのが4年目の湯浅京己だ。高校時代は故障に苦しんだが、BCリーグの富山で力をつけて19歳の若さでドラフト指名(6位)を受けると、プロでも着実に成長。今年はセットアッパーとして大車輪の活躍を見せている。年齢的にも今年で23歳とまだまだ若く、近い将来のクローザー候補になってくるだろう。他にもトミー・ジョン手術から順調な復活を見せている才木浩人、二軍で昨年からエース格となっている村上頌樹、ルーキーながら存在感を見せている森木大智、桐敷拓馬、岡留英貴など有望な若手は非常に多い。ここに昨年活躍した及川雅貴が加わってくれば、さらに楽しみな布陣となるだろう。

 一方のパ・リーグは山本由伸のいるオリックス、佐々木朗希のいるロッテが当然候補となるが、ともに近い将来、メジャーに移籍してしまう可能性を考えると楽観視はしづらい状況だ。それでも年齢的な若さと現有戦力の顔ぶれを考えると、将来性はロッテの方がわずかに上回っているように見える。一軍の戦力となっている選手では河村説人、二木康太、小野郁、小沼健太などはまだまだ若さがあり、今後の成長も期待できる。トミー・ジョン手術からの復帰を目指している種市篤暉が順調に二軍で登板を重ねているのもプラスで、森遼大朗、横山陸人、中森俊介、古谷拓郎といった高校卒の楽しみな若手も多い。佐々木朗希がメジャーへ移籍する前に、ある程度現在の若手で投手陣を構成するめどを立てることもできそうだ。

 選手層の厚さで目立っているのは、やはりソフトバンクだ。長年エースを務めている千賀滉大の後釜問題は大きな課題となっているが、今年は育成出身の大関友久がローテーション入りを果たすなど、プロ入り時点で評価の高くなかった選手を戦力にする育成力はさすがだ。他にも杉山一樹、田上奏大、尾形崇斗、スチュワート・ジュニアなどスケールの大きな投手が数多く控えており、いきなりブレイクするということも十分に考えられる。

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投手王国形成に重要なことは…