●1995年10月9日(東京ドーム)新日本 ○垣原賢人(9:13/膝十字絞め)×佐々木健介

~「垣原選手に感謝するよ俺は」…対抗戦でのまさかの敗戦

 新日本 vs. UWFインターの全面対抗戦。平日月曜に6万7000人(主催者発表)を集めて行われたビッグマッチで「まさか」の結果が起こった。

 第6試合、健介の対戦相手はデビュー5年目、23歳のカッキー。団体の顔になりつつあり体格で勝る健介は試合を優勢に進めたが、一瞬の隙をつかれ膝十字固めでギブアップ負け。まさかの結末にドーム内はなんとも言えない雰囲気に包まれた。

 試合以上に印象的だったのがバックステージでの健介の会見。

「皆に申し訳ないな。ポカやりすぎた。(中略)吹っ切れたよ俺は。垣原選手に感謝するよ俺は」

 同大会では長州力の「キレちゃいないよ」が有名だが、健介の言葉もプロレス史に残る名セリフだ。

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 その他にも予想外の衝撃的な結末で忘れられない試合は数々ある。以下の勝者である三沢、小川、オカダはその後プロレス界を代表するレスラーになる。しかし試合当時は実績、経験が浅く「これから」の選手だった。対戦相手の顔ぶれを見ても勝利を想像することは難しい状況だった。「まさか」の結末の試合終了後、各会場が異常な雰囲気に包まれたことが記憶に新しい。

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●1990年6月8日(日本武道館)全日本 ○三沢光晴(24:06/片エビ固め)×ジャンボ鶴田

 怪物と呼ばれ全日本の絶対的存在であったジャンボ。虎の仮面を脱ぎ次世代のエースと期待された三沢との対戦だったが、勝利は時期尚早とも思われていた。


●1997年4月12日(東京ドーム)新日本 ○小川直也(9:25/裸絞め)×橋本真也

 異種格闘技戦での試合だったがプロレスと考えたい。大物・小川のデビュー戦とはいえIWGPヘビー級王座が敗れたことのショックは大きかった。

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近年ファンを驚かせた一戦は?