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■出川哲朗さんの秀逸な「ボケ」

 以前、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)を見ていたら、出演者の方々がそれぞれ自宅から回線をつないで、「せーの!」でオンライン収録した回が流れていました。

 そこで、出川哲朗さんが「ごめんごめん、今外のスピーカーから5時のチャイムがめちゃくちゃ鳴ってて……」と言うと、他の芸人さんが「ウチでも聞こえるわー!」と。すると、MCの内村光良さんが「コラー! 収録時間がバレるだろ!」とツッコミを入れて、そこで、ひと盛り上がり。

 こんなふうに、何気ない身の回りの「実況中継」が、会議室で場を共有しているのとはまた違った臨場感を生みます。自宅ですから「あ、今インターホンが鳴ったから、一瞬だけ外します! ごめんなさい!」とか、「喉が渇いたので、ちょっとお茶を一口、失礼します」というのも、その人の人間味が感じられて、参加している人たちの緊張が緩む瞬間です。

 リアルな会議室では、全員が自分のほうを向いて並んで座ることはありません。リモート会議は、普段は見られないみんなの表情が常にアップで目に飛び込んできます。見るほうも見られるほうも、やっぱり緊張しますよね。

 こんな状況で誰かが、「ごめんなさい、隣の部屋で犬がオヤツをくれって吠えていて……。静かにしてもらうためにちょっと今あげてきますね!」くらいの“ヌキ”や“ハズシ”をしてくれると、その場の空気がホッとやわらかくなります。チーム内のコミュニケーションも活発になり、ひとりひとり、ふと頭に浮かんだアイディアなども、発言しやすくなる雰囲気に。

■リモートでは5割増しがいい塩梅

 ところで、ラジオとリモート会議は、よく似ています。ラジオでは、ゲストが話している途中にDJが声を出しすぎるとリスナーが聞きづらくなってしまうので、声のあいづちは控えめに。代わりに、大きくうなずく動作と表情で「あなたの話を聞いてますよ!」「楽しんでます!」というサインを送り続けます。

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オンライン会議で笑顔になれる驚きの方法とは?