発作は数分でピークに達し、自然に治まりますが、繰り返し起こるのが特徴です。

 慢性化すると「また発作が起こるのでは」と不安になり(予期不安)、発作を予感させる状況や場所そのものを避けるようになります。

 さらに進行すると、電車などの閉鎖空間や人混みを恐れる「広場恐怖症」に陥って、外出ができなくなり、不登校や引きこもりになるケースも少なくありません。

 抗うつ薬などの薬物療法の効果を期待できます。

※『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より抜粋

水野雅文(みずのまさふみ)

東京都立松沢病院院長 1961年東京都生まれ。精神科医、博士(医学)。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。イタリア政府国費留学生としてイタリア国立パドヴァ大学留学、同大学心理学科客員教授、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、助教授を経て、2006年から21年3月まで、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授。21年4月から現職。著書に『心の病、初めが肝心』(朝日新聞出版)、『ササッとわかる「統合失調症」(講談社)ほか。