2020年、同じ三重県を本拠地とするヴィアティン三重の昇格を妨げたい思惑から、最終戦を前にチームオーナーが「負けた方が有利になる」などと発言。その意図を汲んで当時の役員が選手らにわざと負けるよう指示した。選手の反発を受けて八百長は行われなかったがチーム幹部らによる行動は言語道断である。サッカー、地元関係者など多くの人たちに対する裏切り行為だった。チームとしての信頼を失ったことは間違いなく、全てを理解した上でカズは鈴鹿に入団して先頭に立ち続けている。

「日本代表やベルディ時代のカズを見ていた。神奈川出身で名古屋に転勤になった後は、付き合いなどで(プロ野球の)中日の試合は足を運びますがグランパス戦は見ない。まさか三重で見られるなんて思わなかった。全盛期と動きは違うけどカズはカズ。息子は全盛期は知らないけど、キングというのは知っているみたいで付き合ってくれます。ゴールをしてくれれば最高ですね」(近鉄四日市駅で出会った親子連れファン)

 キングという呼称すらネット上で揶揄する者もいる。しかしこういった古くからの熱いファンが今でも数多く存在する。

 白髪で真っ白になった頭は別人のようになったが、ピッチ上を走る姿、振る舞いなどは当時のままだ。実際に目にすれば訴えかけてくるものがあり、三浦知良の矜持を感じることができるはず。どこでボールを蹴っていてもキングカズは健在だった。