「今シーズンのパリーグは実力が均衡しているんです。昨年の王者であっても関係なし。オリックスは昨シーズン、べらぼうに強くて優勝したわけではない。私が選手の時は西武の黄金時代でしたが、チーム内の競争が大変でした。でも、まわりから『今年も優勝は西武だな』と言わせる強さがあった。それと今のオリックスというのは次元がまた違います」

 前出の監督就任会見で、新庄監督は意外なことを口にした。

「優勝なんか一切目指しません、僕は。高い目標を持ちすぎると選手というものはうまくいかないと僕は思っているんですよ。一日一日、地味な練習を積み重ねてシーズンを迎えて、何気ない試合、何気ない一日を過ごして勝ちました。勝った、勝った、勝った。それで9月あたりに、優勝争いをしていたら、さぁ、優勝を目指そう。そこの気合の入り方というのが違うと思うので、そういうチームにしていきたい」

 羽生田氏は現在、「鳥越アズーリFM」で番組「羽生田忠克の基本的には野球の話」のMCを務める。その羽生田氏は、今シーズンの日本ハムをこう予想する。

「日本ハムはこれまでの状態なら最下位でしょうね。ただし、いつ流れが来るかわからない。ビッグボスが『優勝を目指さない』と言うのは、昨年5位だから今年は4位とか3位とか一つでもランクアップすればいいということではないでしょうか。実際、4位くらいにはなる可能性もあります。他の球団が崩れることもあるし、ケガ人が出ることもある。1シーズンは長いから。野球評論家はみんなシーズン前に予想するけど、当たらないことが多い(笑)」

 これまでの7試合。日本ハムの試合はどこも客入りがいい。

「どこへ行っても満員だと思いますよ。ファンも別に優勝でなくても、今年はできるだけ上のランクをという感覚だと思うんですよね。それを2年も3年もやったらいけないでしょうけど、ビッグボスが面白い野球をしてくれたらファンは満足なんじゃないですか。彼は『日ハムを、プロ野球を変える』と言っているし、今年のビッグボスの野球が楽しみです」

(AERAdot.編集部 上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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