3月21日の夜に発令された電力「需給ひっ迫警報」。電力需給が厳しくなる見込みのため東京電力管内で節電の協力を要請したものだが、翌22日の午後3時前には萩生田経済産業大臣は緊急の記者会見を開き、23日に警報は解除された。停電を回避できたことは幸いだが、警報はなんだったの?というほど、あっけなく節電生活は終わりを迎えた。

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 警報発令当初いち早く、Twitterにつぶやいたのが、1990年代の超過激バラエティー番組『進ぬ!電波少年』の「懸賞生活」で人気を博したなすびさん。その真意を聞いた。

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 なすびさんは3月21日、節電要請があった後、こうつぶやいた。

【東京電力管内で初の“電力需給ひっ迫警報”発令との事ですが、先週16日の福島県沖の地震の影響ですから、勿論、協力する事は吝かでは御座いませんが、真冬でもエアコンは疎か暖房器具は一切使わずに過ごしているので、これ以上、何を節電したら良いのか、でも出来得る限り知恵を絞ってはみます!】(なすび公式Twitterより/原文ママ)

 なすびさんはこう語る。

「裸で部屋にこもって、はがきをコツコツ書き続けて懸賞で当たった物品で1年3カ月過ごしていた『懸賞生活』の印象をお持ちの方は、僕が貧乏でエアコンを一切使わずに過ごしていると思われたのでは!?(笑)」

 だが、エアコンを使わない理由は実はかなり深い考えからのものだった。

「ここ10数年、冬場だけでなく夏もエアコンはつけていないんです。夏場は扇風機はつけていますけどね。2011年の東日本大震災前からですが、震災後はより意識するようになりました。震災で被害にあった原発は東京電力福島第一原子力発電所で首都圏の皆さんの電力なんですよね。僕は福島県出身でもあり、そんなことから決して他人事ではないなと思っていました。福島県民は1ワットたりとも使っていない電気なんです。だからと言って、福島にある原子力発電所のことを思って、常に罪悪感を持って電気をつけたり、消したりしているわけではないですよ(笑)。僕は一人暮らしだから、エアコンをつけなくても誰かに迷惑をかけたり、そういう生活を強いることもない。続けていたら、エアコンを使わない生活になっただけです」

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