ヤクルト・青木宣親
ヤクルト・青木宣親

 球団としては29年ぶりのセ・リーグ連覇、そして初の2年連続日本一を目指すヤクルトが、ここへ来て思わぬ逆風に見舞われている。正捕手の中村悠平が下半身の張りで離脱すると、正中堅手の塩見泰隆は新型コロナウイルス陽性判定者の濃厚接触疑いで自主隔離。昨年の日本一を支えたレギュラー2人を欠いた状態で、開幕前の調整最終を余儀なくされている。

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 その一方で、捕手では高卒2年目の内山壮真(19歳)、外野手では高卒4年目の濱田太貴(21歳)らが、チャンスとばかりにアピールを続けている。さらに高卒3年目の内野手・長岡秀樹(20歳)、大卒ルーキーの外野手・丸山和郁(22歳)など、このオープン戦で多くの出場機会を得ている若手の台頭も期待される。

 投手陣に目を向けると、昨年は高卒2年目にしてチーム最多タイの9勝を挙げ、今年は本拠地・神宮での初戦となる3月29日の巨人戦で先発マウンドに上がる奥川恭伸が20歳。ポストシーズンでの快投で日本一に大きく貢献し、今シーズンは初の開幕ローテーション入りが決まっている左腕の高橋奎二は24歳。さらに昨年は高卒4年目で初勝利を含む4勝をマークした22歳の金久保優斗など、まだ若く伸びしろも十分な彼らがどれだけステップアップできるかが、連覇に向けての大きなカギとなりそうだ。

 ただし、投打ともに忘れてならないのはベテラン、しかも「大」が付く40代の選手たちの存在だ。それがチーム最年長の石川雅規(42歳)であり、野手最年長の青木宣親(40歳)である。

 お互いを「いや、もういなかったら困りますよね。ホントに青木だからこそ話せることもあったりとか、いろんな話をするので。僕自身はメンタルをしっかり保てるのは青木のおかげでもあるので」(石川) 、「(石川さんは)一番近い存在かもしれないですね、チームの中で。同じ40代になりましたし、現役を続けていていろいろ感じる部分がすごく多いような気がします」(青木)と評する2人は昨年、ともに初めて日本一の喜びを味わった。だが、決して順風満帆なシーズンではなかった。

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昨年は苦しみながら“存在感”を示した2人