「大人の世界に足を踏み入れるのはドキドキして貴重な体験なのかもしれませんが、ゆたぼんはまだ中学1年生です。今回の経験が心底楽しいと思えるのか疑問に感じました。西麻布のワインバーや高級とらふぐ店に行くことは、不登校だからこそできるわけではない。大人になってお金を稼げば誰でも行けるわけですから。それより、小学校や中学校でしか味わえない経験を自らの意思で放棄していることの方が大きな損失だと思います。発言がしっかりしていて同世代より大人びていますが、時折浮かべる無邪気な笑顔を見ると、同世代の近所の友達と学校で勉強したり、遊びたくないのかなとふと感じてしまう。選んだ道なのでとやかく言うべきことではないかもしれませんが、これからもゆたぼんに集まる大人はたくさんいるでしょう。東京の華やかな生活に慣れてほしくないですね」

 クラウドファンディングで487万円が集まった「ゆたぼんスタディ号プロジェクト」は4月からスタートする。不登校児らに元気と勇気を与える思いはどこまで届くだろうか。(矢島龍)