国立病院機構からの回答(一部)
国立病院機構からの回答(一部)

「公的組織のNHOの使命に鑑みると、あり得ないレベルの消極さ。受け入れ時間にも条件を付けるお役所仕事ぶりで、やる気が感じられません」

 また、大阪府に派遣している看護師、薬剤師に関してもひと悶着あったようだ。NHOのホームページの情報によると、厚労相の要請に応じ、大阪の臨時医療施設に看護師28人、薬剤師3人をNHOから派遣している。大阪では新規感染者数は減少傾向にあるものの、依然として6千人を超えるほどの高い水準で推移している。そうした中で、NHOは派遣した職員の撤退を検討しているという。

「NHOは、まん延防止措置が21日で期限を迎えるタイミングで、早々に応援要員を引き上げようと狙っています。その話を受けた大阪府は激怒し、『医療逼迫が続いている中で無責任だ』と怒り心頭となっているようです」(厚労省関係者)

 これらの話は事実なのか。臨時医療施設は開設したのか、NHOに多くの条件をつけて患者を受け入れないようにしているのは事実か、大阪に派遣した職員を引き上げようとし、大阪府が不快感を示したのは事実かなど質問状を送った。NHOからはすでに患者を受け入れていることを認めた上で、以下の回答が書面できた。

 患者受け入れの条件については

<ご指摘の臨時医療施設については、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき開設される臨時的施設であり、全ての医師・看護師を全国の国立病院機構病院から派遣しております。その運営方針については設置者である東京都と調整のうえ決定したものです。なお、3 月11 日時点において、要介護4相当の高齢者を受け入れており、今後も現場の状況に応じて、積極的な受入れに努めていくこととしております>

<臨時医療施設で対応が困難な状態の患者については、同一敷地内にある国立病院機構東京病院等において対応することとしております>

 また、大阪府からの職員の引き上げについては

<現在、国立病院機構においては、国立病院機構法に基づく令和4年2月9日付け厚生労働大臣からの東京都及び大阪府の臨時医療施設に2月中旬から3月末日迄看護師及び薬剤師を派遣するよう求められたことに対応しております。今後とも、感染状況を踏まえつつ国、都道府県と連携を図りながら積極的に取り組んでまいります>

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