岸田文雄首相は3月6日までが期限だった「まん延防止等重点措置」を適用中の31都道府県のうち、北海道、東京、千葉、神奈川、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫など18都道府県の期限を21日まで再延長することを発表した。
【写真】吉村知事の改善命令で豪華になったコロナ療養ホテルのお弁当はこちら
新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威をふるう第6波でホテル療養者が急激に増え、全国の自治体を悩ましているのが、お弁当など食事の廃棄問題だ。
「パンの山やほとんど手が付けられていない弁当がゴミ袋に入れて一般ごみと一緒に大量に捨てられている」(大阪市内のZホテル従業員)
写真に写っているパンや弁当と一緒に捨てられている紙は、大阪府が配った宿泊療養者向けのしおりだ。
弁当などの大量廃棄が起こる背景には、AERAdot.がこれまで何度か指摘した宿泊療養ホテルの“中抜き”などで「揚げ物やカツカレーなど食事の貧相さ」(ホテル療養者)があった。
国から地方へ支給されるコロナ宿泊療養者の食事代は1食1500円算定で、使わなかった分は精算する仕組になっている。
大阪府は独自の経済的試算で1食につき900円、一日2700円の食事代だが、「どう見ても1食500円ぐらい」との指摘が相次いだ。
大阪府の吉村洋文知事はAERAdot.の記事を引用し、「改善します」と2月24日にツイート。最近は食事メニューが「豪華になった」(ホテル業者)との評判だ。ただ、「弁当廃棄」という次なる難題が持ち上がっている。
大阪府内の療養ホテルに詰める看護師Aさんは語る。
「コロナで体調が芳しくない方が療養者ですから、多少、豪華になっても完食する人は少ない上、揚げ物などコッテリしたメニューは変わらずなので少し口をつけただけで廃棄する人も多い。ゴミ袋は残飯の山になります。正直、もったいないと思います。さらに問題はそのゴミがホテルによってはきちんと衛生処理されないまま、捨てられています」
大阪府危機管理室に療養ホテルの弁当などの廃棄処理について取材すると、こう回答した。
「コロナの療養者ですから、口をつけた弁当や箸などの廃棄物は感染リスクがある。病院で出る廃棄物と同様の扱いで専門業者に依頼して、適切に処理するようにホテルには伝えています」