■C大阪「D」

 昨季12位からの巻き返しを狙いたいところだが、攻撃のキーマンだったMF坂元達裕と守備の要だったDF瀬古歩夢の日本代表クラスの2人が海外へ移籍。大久保嘉人が現役を引退した他、FW豊川雄太、FW高木俊幸、FW松田力、MF西川潤、MF藤田直之、DF小池裕太、DFチアゴといった準主力級の選手たちもクラブを離れた。その一方で、昨季J2で13得点をマークしたFW上門知樹(←岡山)、中盤のリンクマンとして攻守に存在感を見せる鈴木徳真(←徳島)、昨季J2で6得点8アシストと結果を残したMF中原輝(←山形)、攻撃参加が魅力の右SB毎晟矢(←長崎)とJ2で頭角を現した20代中盤の精鋭たちを獲得した。

 その他、2020年に9ゴールを決めたブルーノ・メンデス(←福岡)を復帰させ、ブラジル人アタッカーのパトリッキ(←サンタ・クララ)も獲得。DF山中亮輔(←浦和)、DF山下達也(←柏)と実績のある面々も確保した。だが、退団した選手たちの実力を考えると戦力がアップしたとは言えず、出入りの激しさから連携面にも大きな不安がある。もちろん、低迷した昨季から“変化”することは必要で、J2から個人昇格した面々が坂元のようにJ1の舞台で一気にブレイクする可能性は大いにある。果たしてどうなるか。就任2年目の小菊昭雄監督の手腕にも注目しながら、現時点での評価を覆すパフォーマンスを期待したい。

■神戸「B」

 昨季3位に入ったチームが、いよいよ本気で「優勝」を狙いに行く。そのために今オフ、リーダーシップの取れる経験豊富な元日本代表DF槙野智章(←浦和)、ボランチとして優れたゲームメイク能力を持つMF扇原貴宏(←横浜FM)、滑らかなドリブルでチャンスを作り出すMF汰木康也(←浦和)といった実力者たちを獲得。その他、FW藤本憲明(←清水)もレンタルバックし、ルーキーとしてGK坪井湧也(←中央大)、DF尾崎優成(神戸U-18)の2人をチームに加えた。決して「量」は多くなく、資金力を考えると「もっと」補強できた感はあるが、DFフェルマーレン、FWドウグラス、FW田中順也の退団者の穴を的確に埋めながら、チームとしての結束力アップにも繋がる「期待の持てる」補強だと言える。

 元々、イニエスタ、サンペール、ボージャン、リンコンと居並ぶ外国人選手に、大迫勇也、武藤嘉紀、山口蛍、酒井高徳と名のある面々が並ぶ陣容は非常に強力。ただ、ベテランが多く高齢化が顕著で、特に夏場のパフォーマンス低下が懸念される。即戦力にこだわりながらも、中長期的なプランの中で20代前半の選手の補強も必要だっただろう。いずれにしても、あとは三浦淳寛監督が誰をどのように起用するか、マネジメント力が重要になってくる。

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福岡は今年さらなる飛躍も?