■鳥栖「E」

 2012年のJ1昇格以降、毎年のように主力を引き抜かれながらも、その都度、優秀なアカデミー出身者を中心に力強く戦い、J1の舞台での戦いを続けてきた。クラブの財政問題が表面化する中で昨季も7位と健闘したが、今オフはFW山下敬大、MF仙頭啓矢、MF小屋松知哉、MF樋口雄太、MF酒井宣福、DF大畑歩夢と主力クラスが軒並み国内他クラブへ移籍。さらに一度は契約を更新して残留が決まったはずのDFエドゥアルドも引き抜かれ、昨季途中に移籍したMF松岡大起も加えると、昨年のチームとは様変わり。降格クラブ以外ではJ史上でも非常に稀な“大量移籍”となった。

 もちろんクラブ側も財政面だけを見ているわけではなく、元主将のMF藤田直之(←C大阪)やMF福田晃斗(←新潟)、MF小野裕二(←G大阪)という実力者たちを呼び戻し、FW宮代大聖(←川崎F)、FW西川潤(←C大阪)と将来の日本代表入りも期待される若手をレンタルで獲得。同じく期限付き移籍のFW垣田裕暉(←鹿島)も即戦力として期待され、新加入の面々だけを見ると希望を持てることは間違いない。ただ、パワハラ問題で金明輝監督が退任に追い込まれたこともチームとしては影響が大きく、今季から指揮を執る川井健太監督の手腕も気になるところ。選手の連携面、チームの成熟度も含めて、非常に強い危機感と不安を抱いた状態で開幕を迎えることになりそうだ。

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