また、同じく1月から放送開始となった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では源義経を演じている。人気脚本家・三谷幸喜による渾身の一作とあって、こちらも注目が集まっている。

「第1話にワンカットだけ登場しましたが、菅田さんの本格的な出番はおそらく3月以降になるのでは。悲運の天才武将と言われる義経をどのように演じるのか、がぜん注目が集まっています。大河ドラマは朝から夜まで撮影スケジュールをびっしり押さえられることでも有名で、現在は相当ハードな撮影の真っただ中にいるはず。現在、菅田さんが髪を長く伸ばしているのも、地毛で義経をやりたかったからとか。しばらく月9の宣伝でバラエティー出演が続いていましたが、それ以外は大河に全集中しているようです。『鎌倉』の主演・小栗旬さんは、菅田さんがデビュー当時からずっと兄貴のように慕ってきた人。大河ドラマという極上のステージでどんな共演が見られるのか、業界関係者は注目しています」(前出のドラマ制作スタッフ)

■韓国にエンタメで負けているのが悔しい!?

 一方、「スポーツ報知」(1月15日配信)のインタビューでは、菅田が日本のエンタメ業界を憂う発言をしたことも話題になった。いわく、韓国の映画やエンタメが海外を席巻していることに関して「(日本との)その差は何だというところを、ちゃんと僕らは悔しがらなきゃいけないんだと思います。指をくわえて見ているだけではダメ」。菅田は、俳優として日本のドラマ・映画界を背負っているという自負があるのかもしれない。

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、菅田将暉の魅力をこのように分析する。

「今クール最注目作とも呼ばれている『ミステリと言う勿れ』では、彼にしか醸し出せない主役としての存在感を全編にわたって存分に見せつけました。これから毎回、さまざまな個性的な犯人や複雑な謎と対峙する姿が見られると思うと楽しみでしかありません。『鎌倉』もぴったりの役どころですが、義経があまりにも天才武将だったことから、その待ち受ける悲劇とのギャップをどう表現するのか。また大泉洋演じる頼朝との確執がどのように描かれていくかも気になります。どんな役にも生命の息吹を吹き込むことができる、まさに俳優の中の俳優でしょう」

 結婚とラジオ卒業を決め、次なる一歩を歩き出した菅田将暉。2022年は月9と大河ドラマという絶好のステージを軸に、どこまで飛躍していくのか。楽しみでならない。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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