■写真集購入者もほとんどが女性

　一方で、演技のレベルは低くないという意見もある。現在、初となる主演映画『ずっと独身でいるつもり？』が公開中だが、同作品での田中みな実について映画雑誌の編集者は次のように語る。

「本来ならもっと話題になっていいはずなのですが、宣伝費も潤沢にはない小規模な作品だからか、あまり知られていません。この映画は独身女性の心の機微を丁寧に描いた雨宮まみさんの原案で、おかざき真里さんの漫画が原作です。ちょうど30代中盤の田中さんならではのリアリティーも加味され、実際に劇場で見た女性からは支持を得ているようです。お芝居も非常にナチュラルで、主演女優としてしっかり存在感を出している。彼女の女優としての真価がうかがえる作品だと思いました。最終的な動員数次第ですが、正しく評価されれば、来年は女優として飛躍の1年になると思います」

　TBSの局アナ時代はぶりっ子キャラで男性視聴者をトリコにする一方、女性ウケはけっして良くなかった田中だが、今や女性からの絶大な支持を得ている。前出の三杉氏は、彼女の時代はまだまだ続くとみる。

「『anan』で“肘ブラヌード”を披露したあたりから、ストイックな努力家の一面やプロ意識、美容意識の高さなどが同性から支持を集めて、昨今の“あざとかわいい”ブームも追い風となり、ブレークを果たしました。2年前に出した写真集は70万部を突破した大ベストセラーですが、その7割が女性読者と言われています。今も女性誌の表紙を飾ったり、ピーチジョンのモデルをやったりしており、女性からの人気は相変わらず高い。テレビ朝日は今年の年越し番組として田中さんや同局の弘中綾香アナウンサーが出演する『あざとくて何が悪いの？』のスペシャル番組を放送しますが、自身のレギュラー番組が大みそか放送の特番に抜擢されるあたりにその勢いを感じます」

　イロモノ役から脱皮して、来年は、女優としても“一皮むける”年となりそうだ。（藤原三星）

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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